更新日: 2021.12.21 年収
大卒の生涯年収ってどれくらい? 他の学歴との差は?
男女差や学歴差などとさまざまな分野で問題視される場合もありますが、実際の数値を見ていくと事実が明らかになります。生涯年収を示していくとともに、男女それぞれの賃金に焦点を当てながら解説していきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年齢全体で見た大卒の平均年収
令和3年3月31日に厚生労働省が公表した『令和2年賃金構造基本統計調査』によれば、大卒全体の男女における平均年収はそれぞれ391.9千円と288.3千円です。この金額は高卒や専門学校卒、短大・高専卒よりも高い数値となっています。
反対に、大学院まで進んだ方の平均年収と比べると金額は少ない点も特徴です。男女それぞれの数値を見ると分かるように、女性よりも男性の方が平均年収は令和2年時では高くなることが判明しました。厚生労働省のデータを用いて、細かく生涯年収の特徴についてまとめていきます。
20代から30代前半における大卒の平均年収の特徴
大学も4年制大学や6年制大学等があり、留年等も踏まえると卒業する時期は人によって異なりますが、一般的には23歳になる年から社会人生活がスタートします。厚生労働省のデータには、年齢ごとに細かく年収の額が分けられていました。
その資料を頼りに見ていくと、20歳〜24歳のグループでは男性は229.1千円、女性が226.5千円の賃金を年間に得ていると記されています。多少の差はありつつも、そこまで大きく差が開いているわけではありません。
年齢を重ねていくに連れて、男女の年収の額に少しずつ開きが見られるようになります。25歳から29歳の全体的な賃金は男性が266.2千円、女性が249.4千円です。
さらに30歳〜34歳の平均年収も見ていくと、男性が313.9千円で女性が275.3千円と差が広がっていきます。単純に30歳〜34歳時点での年収の差は、38.6千円です。
では、この特徴は高卒や専門学校卒にも見られるのでしょうか。高卒の同年代の平均年収は、男性は258.7千円で女性が206.6千円です。専門学校卒も同様に数値を示すと男女それぞれで274.2千円、248.7千円となっています。
次に高卒や専門学校卒の男女の年収に関する差を見ていきましょう。計算すると高卒の場合は差が52.1千円、専門学校卒の場合は差が26.5千円です。専門学校卒は若干開きが小さくなっているものの、大卒と同様に男女の年収の差が生じている点は変わりがありません。
特に高卒の場合になると、大卒よりも開き具合が大きくなっていました。
30代後半からの大卒の平均年収における特徴
30代後半に突入しても、男性の平均年収は上昇を続けていきます。35歳〜39歳の年間の賃金は365.2千円となり、40歳から44歳になると416.4千円と400千円台に突入することも示されました。大体の計算ですが、各年齢層において50千円ずつ上昇しているところがポイントです。
一方で、女性の場合は35歳〜39歳では298.2千円、40歳〜44歳は320.3千円と上昇する幅が男性に比べると大きくありません。当然ながら、男女の平均年収の差はどんどん広がります。
また、定年退職を迎える頃となる60歳〜64歳では、男女共に平均年収は下落する点も重要な特徴です。下がり幅は男性の方が大きいですが、依然として女性よりも金額自体は大きいままとなっています。
こういった年収の動きは、高卒や専門学校卒等の全てのカテゴリーにおいて共通していることは確かです。ただし、最終的な年収の差は高卒及び専門学校卒では40千円〜80千円で収まっているのに対し、大卒になると100千円以上も開いています。
このような細かい動きも、今後仕事をする上で参考にしていきましょう。
大卒の生涯年収の平均に関するまとめ
大卒であれば、男女ともに高卒や専門学校卒よりも生涯年収の平均は高くなります。しかし、その一方で男女の賃金の差も大きくなっている点も特色といえるでしょう。
当該原因として考えられるのは、男性と比べて女性の30代以降における賃金の上がり幅が小さいことが挙げられます。データを全体で共有していけば、自身の将来を見直すきっかけにもなり、社会の是正へつながっていくでしょう。
出典
厚生労働省令和2年賃金構造基本統計調査結果の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部