漁師の年収、どの職種が最も高い?
配信日: 2021.12.23
この記事では気になる漁師の年収を、職種別にランキング形式で紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
第3位 沿岸漁業(近海漁業)の漁師 年収約190万円~300万円
沿岸漁業(近海漁業)とは、日本の近海沿岸で行われる漁業の分類です。沿岸漁業は主に日帰りで行われる漁業であり、魚だけでなく貝や海藻なども漁獲します。また魚介類を育てて出荷する養殖漁業についても、沿岸漁業に分類されます。
沿岸漁業は小さな漁船でも行えることから「個人操業」が多い漁業形態です。日本の漁師の85%が沿岸漁業を行っているとされており、水産庁の調査(2007~2017年調べ)によるとその平均年収は、238~350万円の間で推移しています。
なおこの数値は漁船と養殖漁業、両方を合わせた数値であり、漁船のみの場合は189~274万円と、さらに低い数値となります。
漁師の年収はその年の漁獲量などによって大きく変わります。数値の変動からも見て取れるように、漁師は安定した収入を得られる職業とは言い難く、特に沿岸漁業(漁船)を行っている漁師の収入は、それだけだと生活が成り立たないことも多くあります。
幸い沿岸漁業は、時間の融通についてかなり効きやすい職種であるため、飲食店などとの兼業を行っていたり、中にはネット副業などで収入を補う人も多いようです。
第2位 沖合漁業の漁師 年収約200万円~400万円
沖合漁業とは、日本の沿岸から200海里(370km)以内の水域(いわゆる排他的経済水域内)で行われる漁業の分類です。沖合漁業は数日~数週間かけて行われることが一般的で、一度の漁で大量の魚を漁獲します。
いわゆる「底引き網」などが用いられるのは沖合漁業が主であり、その漁獲量は日本の総漁獲量の約40%を占めています。
沖合漁業はその規模から、主に企業によって行われる漁業形態です。沖合漁業を行う漁師は船員(社員)として企業に雇われている場合がほとんどで、その年収は200万円~400万円程度といわれています。
企業に勤めるかたちになることから、沖合漁業の漁師の収入はある程度安定しており、その収入は企業内で出世することで上がっていきます。また企業に雇用される際は、海技資格(航海士、機関士など)が重要視され、資格を持っておくことで収入の底上げが期待できます。
第1位 遠洋漁業の漁師 年収600万円~800万円
遠洋漁業とは、排他的経済水域を飛び越えて太平洋やインド洋、大西洋などで行われる漁業の分類です。遠洋漁業は数か月、場合によっては年単位で行われ、主にマグロやカツオといった大型魚を漁獲します。
遠洋漁業も沖合漁業と同じく、主に企業によって行われる漁業形態です。遠洋漁業の漁師は企業に雇われる会社員の扱いであり、その収入は給与といったかたちで与えられます。
遠洋漁業の漁師は船上で長い期間拘束されることから、非常にきつく大変な仕事といわれます。船上での労働に耐えうる体力や船酔いしない体質は必須であり、それに加えて精神的な強さも要求されます。さらに急な用事(身内の不幸など)があった場合も、すぐ帰ることはできません。
ただしその一方で、遠洋漁業の漁師の収入は特筆すべきものがあり、一般船員でも年収600万円~800万円の高収入が得られます。さらに年間のほとんどを船上で過ごすことから無駄遣いをする余地がないため、お金を貯めるのにうってつけの職業ともいえるでしょう。
中には将来起業するための資金を得るために、遠洋漁船に乗り込むような人もいます。
漁師の収入はその職種によって大きく違う
漁師の収入はその職種によって大きな違いがあります。テレビなどで放映されることの多いマグロ漁船(遠洋漁業)などの収入はかなり高めであり、そうした一部に限っては、確かに「もうかる仕事」といって良いでしょう。
しかし、日本において一番多い沿岸漁業の漁師の年収は200万円~300万円程度である場合が多く、漁師を一概に「儲かる仕事」と分類するのは、少し難しいかもしれません。
出典
水産庁 沿岸漁家の漁労所得の推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部