更新日: 2021.12.23 年収

年収1000万円の会社員は、夫婦二人でどのくらいの年金をもらえる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 中村将士

年収1000万円の会社員は、夫婦二人でどのくらいの年金をもらえる?
年齢を重ねて老後の生活が現実味を帯びてくると、「自分たちはどれだけの年金を受給できるのだろう」と気になりだすご夫婦は多いでしょう。
 
同じ年収帯の人でも、過去の収入や保険料の納付状況などによって、年金受給額に差がつく可能性があります。ここでは、年収1000万円の会社員を例に、夫婦でもらえる年金額を試算し、老後の生活費を年金でまかなえるかどうか考察してみましょう。
 
ぜひ、老後の資金計画を立てる際の参考にしてください。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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中村将士

監修:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

年収1000万円の会社員と配偶者がもらえる老齢基礎年金の金額は?

老齢基礎年金(国民年金)の受給額は、国民年金保険料を納めた月数と、免除の状況をもとに計算します。
 
国民年金保険料の納付状況が同じであれば、年収にかかわらずもらえる老齢基礎年金の金額は同じです。また、配偶者の被扶養者になっている期間については、自ら保険料を納めなくても、第3号被保険者として保険料を満額納めたことになります。
 
夫婦それぞれが40年間、国民年金保険料を全額納めた場合、受給できる年金額は1人あたり年間78万900円、月額では6万5075円です(令和3年4月分からの年金額、満額)。夫婦の受給額を合計すると、月に約13万円の老齢基礎年金を受給できる計算です。

 

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年収1000万円の人がもらえる老齢厚生年金の金額は?

65歳以降に支給される老齢厚生年金は、以下の3つで構成されています。
 
・報酬比例部分:加入期間と過去の収入額に応じて金額が決まる部分
 
・経過的加算:昭和36年4月以降の20歳以上60歳未満の期間をもとに金額が決まる部分
 
・経過的加算:厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり特別支給の老齢年金の定額部分を受給している人が、65歳に到達した時点の配偶者や子の状況に応じてもらえる部分
 
このうち報酬比例年金額は、平均標準報酬月額、平均標準報酬額をもとに、生年月日に応じた率と、加入月数を乗じて計算します。
 
・平均標準報酬月額:平成15年3月までの加入期間の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの加入月数で割った金額
 
・平均標準報酬額:平成15年4月以降の加入期間の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以降の加入月数で割った金額
 
これまでの収入をトータルして計算するため、現在の年収が同じ1000万円でも、平均して1000万円の年収を得てきた人と、徐々に年収が上がって1000万円に到達した人では、もらえる老齢厚生年金の金額が違うことに注意しましょう。
 
例えば、厚生年金の加入期間が40年で平均的に年収が1000万円の人の老齢厚生年金受給額を試算すると、65歳から受給できる老齢厚生年金は月額約14万3000円です。夫婦の老齢基礎年金の月額約13万円と合わせると、夫婦でもらえる年金は月額約27万3000円となります。
 
一方、現在の年収は1000万円あるものの生涯の平均年収は650万円の人の場合、65歳から受け取れる老齢基礎年金は月額約11万6000円です。夫婦の老齢基礎年金と合わせると、夫婦でもらえる年金は月額約24万6000円となります。

 

年収1000万円の会社員夫婦は老後に年金収入だけで生活できる?

計算結果をもとに、年収1000万円の会社員と配偶者が、老齢年金だけで生活費をまかなえるかどうかを考えてみましょう。
 
総務省「2020年 家計調査」によると、夫婦共に65歳以上・無職の世帯の1ヶ月あたりの生活費は、平均22万4390円です。平均年収1000万円(夫婦の年金受給月額約27万3000円)や、平均年収650万円(同約24万6000円)のケースなら、平均的な生活をすればなんとか黒字になります。
 
また、共働きの期間がある場合は、妻の老齢厚生年金も受給できるため、もう少し余裕がもてるはずです。
 
しかし、生涯の平均年収がさらに低い場合や、夫婦いずれかに国民年金の未納期間がある場合などには、年金受給額は試算より少なくなります。また、医療費など想定外の大きな支出が発生することもあるでしょう。
 
そうなると、年金収入だけでは足りなくなる可能性があります。年金に頼りすぎず、貯蓄をするなど、老後の資金に余裕をもたせるための対策をとっておくことが大切です。

 

年金額は年収だけでは決まりません

同じ年収1000万円でも、過去の平均年収や国民年金保険料の納付状況などの条件次第では、受給できる年金額に差が出る可能性があります。自分たちのケースでは、夫婦で十分に生活できるだけの年金額が見込めるかどうか、一度試算してみるのがおすすめです。試算額をもとに年金以外にどの程度の備えが必要かを把握して、対策を検討しましょう。

 
参照
令和3年4月分からの年金額等について|日本年金機構
統計局ホームページ/家計調査報告 ―月・四半期・年―
((高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別1世帯当たり1か月間の収入と支出)
年金シミュレーション : 三井住友銀行
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー