年収1000万円と世帯年収1000万円では、将来の年金受給額はどう変わる?
配信日: 2022.01.02
年金は老後の生活に欠かせないお金のため、どれくらい変わってくるのか知っておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
目次
年収1000万円を超える人の割合は?
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」より、日本で給与所得により年収1000万円を超える人の男女合計した割合を見ていきましょう。
【図表1】
年収 | 割合 |
---|---|
1000~1500万円 | 3.4% |
1500~2000万円 | 0.7% |
2000~2500万円 | 0.2% |
2500万円超 | 0.3% |
合計 | 4.6% |
全体のうち、年収1000万円を超えている人の割合は4.6%であり、全体の1割にも達しません。しかし、平成28年度の年収1000万円超えの割合が4.2%であることから、0.4%増加していることが分かりました。
なお、給与階級別分布によると、最も多い給与所得者は300~400万円の913万人です。
年収1000万円と世帯年収1000万円の将来もらう年金受給額は?
年収1000万円と世帯年収1000万円は、同じ金額でも1人で稼ぐか、夫と妻など世帯全員で稼ぐかの違いがあります。この見出しでは、将来もらう年金受給額がどのように変わるのかを、実際にシミュレーションして見ていきましょう。
三井住友銀行の「年金試算シミュレーション」をもとに試算しましたので、ぜひ自分の年金受給額を知りたい人は試してみてください。
年収1000万円のケース
年収1000万円の会社員の年金受給額を、以下の条件で試算してみました。
・夫
現在の年齢:40歳(男性)
就業開始の年齢:22歳
就業終了の年齢:60歳
現在の年収:1000万円
・妻(専業主婦)
現在の年齢:38歳
・夫
老齢厚生年金:12万7000円
老齢基礎年金:6万4000円
合計:19万1000円
・妻
老齢基礎年金:6万4000円
試算した結果、老齢厚生年金が12万7000円、老齢基礎年金が12万8000円で合計毎月25万5000円の受給であることが分かりました。
妻が専業主婦の場合、老齢厚生年金はもらえませんが、老齢基礎年金は受給になるため、毎月6万4000円受給されます。
世帯年収1000万円のケース
次に、世帯年収1000万円の場合の年金受給額を、以下の条件で試算してみました。
・夫
現在の年齢:40歳
就業開始の年齢:22歳
就業終了の年齢:60歳
現在の年収:600万円
・妻
現在の年齢:38歳
就業開始の年齢:22歳
就業終了の年齢:60歳
現在の年収:400万円
・夫
老齢厚生年金:10万1000円
老齢基礎年金:6万4000円
夫合計:16万5000円
・妻
老齢厚生年金:7万1000円
老齢基礎年金:6万4000円
妻合計:13万5000円
夫婦合計:30万円
夫と妻をの年収を合算すると、1ヶ月の年金受給額は30万円になりました。この条件の場合、年収1000万円との受給額の差は月4万5000円であり、年収か世帯年収かでこれだけの違いが出ることが分かります。
公的年金を増やす方法
老齢基礎年金・老齢厚生年金は、工夫次第で増やすことが可能です。老後資金に余裕があれば、年金の繰下げ受給を検討してみましょう。原則65歳から受け取る年金を最長70歳まで繰り下げることで、請求した年齢に応じて年金額を最大で42%増やせます。
年収1000万円と世帯年収1000万円の年金受給額の差は4万5000円
年収1000万円と世帯年収1000万円は、同じ年収でも将来受け取れる年金受給額が、月4万5000円も変わります。しかし、どちらも将来年金だけで暮らすには不安のある金額だといえます。
若いうちからしっかりと計画を立てて、老後資金を貯めたり、公的年金を増やす工夫をしたりして、老後の生活が苦しくならないようにしましょう。
出典
国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」
三井住友銀行「年金試算シミュレーション」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー