10年前と比べて地方公務員の年収は上がっている? 下がっている?

配信日: 2022.01.09

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10年前と比べて地方公務員の年収は上がっている? 下がっている?
地方公務員の年収は、「地方公務員法」により定められています。昔と比べると景気は悪くなっているといわれますが、公務員の給与はそれでも上がっているのでしょうか。それとも、下がっているのでしょうか。
 
本記事では、地方公務員の今の年収と10年前の年収を比較します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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地方公務員の年収はどう決まる?

地方公務員の給与制度は、地方公務員法上3つの原則があります。
 

・職務給の原則
・均衡の原則
・給与条例主義の原則

 
地方公務員の給与は、職務と責任に応じて決められなくてはいけない。また、民間企業で働く会社員の給与などを考慮して決めなくてはいけないとあります。
 
また、地方公務員の給与は、条例により給与が決定されます。したがって、条例で定められていない給与や手当は、職員に支給してはいけません。
 
地方公務員の給与は、地方公務員給与実態調査などの調査を行い、誰でもインターネット上から閲覧可能です。最新のものは、「令和2年 地方公務員給与の実態」なので、気になる人はぜひ一度確認してみてください。

 

過去10年間の地方公務員の年収

では、総務省「令和2年 地方公務員給与の実態」より、過去10年間の地方公務員の年収を見ていきましょう。
 

【条件】

大学卒の一般行政職、40~43歳の平均年収

 
(表1)

平均年収
令和2年 406万1388円
平成31年 406万4688円
平成30年 464万448円
平成29年 440万64円
平成28年 441万624円
平成27年 443万9496円
平成26年 444万3132円
平成25年 467万7576円
平成24年 443万8392円
平成23年 444万6360円

 
令和2年度の平均年収が406万1388円ですが、平成23年は444万6360円と、10年前のほうが平均年収は高いことがわかります。
 
年収がもっとも高い年度は、平成30年度の464万448円。令和2年度と比べると57万9060円の差があるということが見てとれます。

 

地方公務員と国家公務員の違い

公務員は「地方公務員」と「国家公務員」の2つに分かれます。それぞれに主な職種や、仕事内容が異なることをご存じでしょうか。
 
令和2年度「国家公務員の給与」によると、地方公務員の人数は約274万人。国家公務員の数は約58万7000人とあります。地方公務員よりも国家公務員のほうが、人数が少ないことがわかりました。

 

国家公務員

国家公務員の一般職は、主に下記で挙げるものがあります。
 

・国会議員
・裁判官
・検察官など

 
各省庁やその他関連機関などが管轄する、国の公務を担うのが主な仕事内容です。一般職以外には、自衛官などの特別職があります。

 

地方公務員

地方公務員の一般職は、主に下記で挙げるものがあります。
 

・都道府県庁や市区町村の役所・役場で働く職員
・幼稚園・保育園などで働く職員
・警察官
・消防士

 
ほかにも、自治体の首長、議会議員などの特別職があります。地方公務員試験は、大学卒か短大・専門学校卒、高校卒と難易度別に分かれています。
 
地方公務員は、主に都道府県や市区町村の自治体で働きます。
 
公務員は国民や住民の生活をよくするために働く職業であり、取り組む仕事の1つ1つが国民・住民の生活に直接かかわってきます。したがって、人の役に立ちたいと強く思い、責任感のある人が向いているでしょう。

 

地方公務員の年収は年々下がっている

地方公務員の平均年収は、令和2年度が406万1388円、10年前の平成23年が444万6360円であり、年々下がる傾向にあるようです。
 
地方公務員の年収は、職務給の原則・均衡の原則・給与条例主義の原則の3つの原則で成り立っています。そのうちの1つである、均等の原則は、「民間企業で働く会社員の給与などを考慮して決めなくてはいけない」とあります。
 
したがって、地方公務員の年収が下がっている背景には、民間企業の年収も下がっていることもあるでしょう。

 
出典
総務省「令和2年 地方公務員給与の実態」
令和2年度「国家公務員の給与」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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