更新日: 2024.09.03 年収
お寺や神社の年収はどれくらい?儲かるいわれているけど、実は厳しいって本当?
日常生活の中で、住職や僧侶、神職や神主の年収や収入源について知る機会は少ないため当然です。
ここでは、お寺(住職・僧侶)や神社(神職・神主)の平均年収や主な収入源について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
お寺(住職・僧侶)や神社(神職・神主)の平均年収
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、神職や宮司、僧侶、住職、司祭、修道者、神主、牧師などを含む「宗教家」の男女別の平均年収は、図表1のとおりです。
図表1
きまって支給する現金給与額(月) | 年間賞与その他特別給与額(年) | 平均年収 | |
---|---|---|---|
男女計 | 34万2700円 | 113万8900円 | 525万1300円 |
男性 | 35万600円 | 122万1700円 | 542万8900円 |
女性 | 27万3200円 | 41万100円 | 368万8500円 |
※平均年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で計算
上記のとおり、お寺(住職・僧侶)や神社(神職・神主)の平均年収は男女計で525万1300円、男性は542万8900円、女性は368万8500円です。男性の平均年収は女性の平均年収より約174万円高いです。
給与所得者の平均年収
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者5245万人の男女別の平均年収は、図表2のとおりです。
図表2
平均給料(年) | 平均賞与(年) | 平均年収 | |
---|---|---|---|
男女計 | 368万5000円 | 64万6000円 | 433万1000円 |
男性 | 449万4000円 | 82万8000円 | 532万2000円 |
女性 | 253万8000円 | 38万8000円 | 292万6000円 |
上記のとおり、給与所得者の平均年収は男女計で433万1000円です。お寺(住職・僧侶)や神社(神職・神主)の平均年収のほうが約92万円高いです。
また、主な業種の平均年収は、図表3のようになります。
図表3
建設業 | 509万円 |
製造業 | 501万円 |
運輸業・郵便業 | 444万円 |
情報通信業 | 611万円 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 715万円 |
サービス業 | 353万円 |
複合サービス業 | 452万円 |
不動産業・物品賃貸業 | 423万円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 251万円 |
金融業・保険業 | 630万円 |
医療・福祉 | 397万円 |
お寺(住職・僧侶)や神社(神職・神主)の平均年収525万1300円は、業種別で見ると比較的高いほうです。
お寺や神社の主な収入源
お寺(住職・僧侶)はお布施や護持費、神社(神職・神主)は賽銭や御祈祷料、寄付、御朱印・授与品などが主な収入源です。このような収入源から得たお金は、社殿の修繕や建て替え、塀や石畳、手水の整備などの維持管理費、僧侶や神職の給料、活動費などに充てられます。
ここでは、お寺や神社の主な収入源について見ていきましょう。
お寺の主な収入源
お寺の主な収入源は、お布施と護持費です。
お布施は、葬儀や法事で檀家から受け取るものです。お布施は僧侶が行う読経や戒名の対価ではなく、ご本尊を守る寺の維持費や活動費として受け取ります。
護持費は、檀家の年会費にあたるもので、寺の維持管理費のために納骨堂やお墓を購入した方から受け取ります。そのため、檀家の数が多いほど収入は多くなる傾向です。
このように、お寺の主な収入源はお布施と護持費になります。
神社の主な収入源
神社の主な収入源は、賽銭や御祈祷料、寄付、御朱印・授与品などです。賽銭では多額の収入を得ることは難しく、御祈祷料は神社にもよりますが5000円程度です。寄付や御朱印・授与品などの収入が多いと言われています。
お寺や神社の平均年収は約525万円。格差があるとも言われる
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、僧侶や神職などを含む宗教家の平均年収は525万1300円です。給与所得者の平均年収433万1000円より90万円以上高いです。
ただし、一般の会社員や個人事業主同様、「稼げているお寺・神社とあまり稼げていないお寺・神社がある」とも言われています。一部のメディアで、6割超の神社が年収300万円未満と報じられたこともありました。
お寺や神社は具体的な収入を公表はしませんが、立地なども影響して収入差があることは考えられます。
出典
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
高野山真言宗別格本山 本山寺「お寺の収入はどこからくるの」
※2022/2/28 図表の表記の一部に誤りがあったため、修正いたしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部