更新日: 2022.02.28 年収

大手企業と中小企業の年収の差はどれぐらい?

大手企業と中小企業の年収の差はどれぐらい?
勤める企業が大手であるほど稼げそうなイメージがあっても、実際にはどれくらいの差があるのかは、よく知らない人が多いでしょう。企業の規模が大きく違えば、学歴や業種などの条件が同じでも、年収が数百万円違うこともあります。
 
ここでは統計データをもとに、性別や学歴、業種ごとの大手企業と中小企業の平均年収を比較してみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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大手企業・中小企業の平均年収の比較

まずは、大手企業、中小企業全体の平均年収を比較してみましょう。
 
どのくらいの規模の企業を大手企業と呼ぶかの明確な定義はありません。また、中小企業の定義は業種により異なります。
 
ここでは、企業規模による年収差の傾向をつかむために、従業員数1000人以上の企業と999人以下、99人以下の企業に分けて、平均年収を紹介します。
 
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」の結果によると、企業の従業員規模別の平均年収は図表1のとおりです。
 
図表1

1000人以上 100~999人以下 10~99人以下
男性 642万300円 532万4800円 449万2000円
女性 414万7800円 385万1000円 340万3400円
全体 562万4000円 477万5300円 410万9700円

※厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」結果より概算した数値です。
 
従業員規模が大きい企業ほど平均年収が高く、従業員1000人以上の企業と99人以下の企業では、全体の平均年収に150万円以上の開きがあります。
 
また、女性よりも男性のほうが格差が大きく、従業員1000人以上の企業と99人以下の企業では平均年収に200万円近く差がある計算です。

 

大手企業・中小企業の学歴別平均年収の比較

図表2は、「令和2年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに概算した、最終学歴・従業員規模別の平均年収です。
 
図表2

1000人以上 100~999人以下 10~99人以下
中学校 417万4200円 381万4800円 375万2800円
高校 495万5200円 411万7800円 384万1600円
専門学校 472万9800円 450万8500円 412万300円
高専・短大 534万7100円 437万円 386万5300円
大学 659万7800円 564万400円 482万200円
大学院 809万2900円 725万2600円 632万1800円

 
どの学歴でも、従業員規模が大きい企業のほうが平均年収が高いことが分かります。
 
従業員規模による平均年収の差が特に大きいのは大学卒、大学院卒で、いずれも従業員1000人以上と99人以下の平均年収の差は170万円以上です。

 

大手企業・中小企業の業種別平均年収の比較

中小企業基本法では、業種別の常時使用する従業員の人数による中小企業の定義を、次のように定めています。(※このほかに資本金などの金額による分類もあります)
 

・製造業その他:300人以下
・卸売業・サービス業:100人以下
・小売業:50人以下

 
これを踏まえた上で、「令和2年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに概算した、主な業種の従業員規模別の平均年収(図表3)をみてみましょう。
 
図表3

1000人以上 100~999人以下 10~99人以下
建設業 751万6100円 576万2400円 454万1900円
製造業 630万7800円 466万8200円 389万3400円
電気・ガス・熱供給・水道業 697万1500円 535万1600円 491万3300円
情報通信業 727万9200円 603万7500円 500万6200円
卸売業、小売業 513万7600円 495万6500円 405万8500円
宿泊業、飲食サービス業 397万200円 347万7600円 311万6600円
生活関連サービス業、娯楽業 398万9200円 388万6200円 353万2100円

 
図表3に取り上げたのは一部の業種ですが、建設業や製造業、情報通信業のように、従業員規模による年収の差が大きい業種と、生活関連サービス業のように差が小さい業種があることが分かります。
 
一般的には、下請け制が盛んな業種ほど、大手企業と中小企業との年収の差が生まれやすいといえるでしょう。

 

企業規模による年収格差は大きい

企業の従業員規模ごとに平均年収を比較すると、従業員規模が大きい企業ほど平均年収が高い傾向がみられます。
 
性別や学歴、業種などの条件によっては、平均年収の差が数百万円におよぶケースも少なくありません。
 
このことから、企業規模が業界トップクラスの大手企業と中小企業との間にも、同様の年収格差があると考えてよいでしょう。

 
出典
厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況
第1表 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
中小企業庁 中小企業・小規模企業者の定義
日本労働組合総連合会 企業規模間の”賃金格差の実態”をクローズアップ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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