更新日: 2022.04.13 年収
国家・地方公務員の生涯年収はどのくらい? 民間企業との差は?
ここでは、公務員の生涯年収を国家公務員と地方公務員に分けて紹介します。公務員になると生涯でどのくらい稼げるのか、具体的に見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
国家公務員の生涯年収
社会に出て働き始めてから定年で退職するまでの収入の合計額を、生涯年収といいます。国家公務員の生涯年収の一例を、内閣人事局が示す国家公務員のモデル給与例をもとに試算してみましょう。
令和2年度のモデル給与例は図表1のとおりです(賞与4.45月分を加算した概算値)。
【図表1】
年齢 | 年収 | |
---|---|---|
係員 | 25歳 | 404万855円 |
係長 | 35歳 | 576万1520円 |
本府省課長補佐 | 35歳 | 927万4670円 |
地方機関課長 | 50歳 | 856万8740円 |
本府省課長 | 50歳 | 1599万3830円 |
係員に着任し、35歳で係長、50歳で地方機関課長に昇進した場合の生涯年収は、およそ2億2000万円と推計できます(定期昇給などは考慮していません)。
また、新卒で着任し、35歳で本府省課長補佐、50歳で本府省課長に昇進した場合の生涯年収は、およそ3億5000万円です。また、本府省課長補佐で定年を迎えた場合は、およそ2億8000万円となります。
国家公務員の生涯年収は、着任後どのような役職に就くかによって、大きく変わることが分かります。また、給与の基礎となる俸給は職種によって異なるため、生涯年収にも差が出るでしょう。
地方公務員の生涯年収
東京都の年収モデルをもとに、地方公務員の生涯年収を推計してみましょう。東京都の年収モデルは図表2のとおりです。
【図表2】
年齢 | 年収 | |
---|---|---|
係員 | 25歳 | 447万5245円 |
課長代理 | 35歳 | 757万1485円 |
課長 | 45歳 | 1202万4755円 |
部長 | 50歳 | 1521万7605円 |
50歳で部長まで昇進した場合の生涯年収は、およそ3億4000万円です(定期昇給などは考慮していません)。また、最終的な役職が課長、課長代理の場合の生涯年収は、それぞれおよそ3億1000万円、2億4000万円と推計できます。
最終役職が本府省課長および本府省課長補佐の国家公務員と比べると、3~4000万円程度少ないことになります。
順調に昇進を重ねれば、地方公務員でも国家公務員より生涯年収が高くなる可能性がありますが、部長まで昇進できる人は多くありません。
地方公務員の生涯年収は、国家公務員と比べて低い場合が多いと考えてよいでしょう。
民間企業と公務員ではどちらの生涯年収が高い?
独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計―労働統計加工指標集2020」によると、日本人の平均生涯年収は、大学・大学院卒業者の場合、図表3のとおりです。
【図表3】
男性 | 2億7210万円 |
女性 | 2億1570万円 |
性別や勤める業種、会社規模、どのような役職を経て定年を迎えるかなどにもよりますが、公務員と民間企業の生涯年収に、大きな差はないといえるでしょう。
公務員の給与水準は民間企業と均衡するよう適宜調整が図られているため、平均的な数字が大きくかけ離れることはないと考えられます。
生涯年収は国家公務員のほうが高い
職種や定年までの役職などにもよりますが、国家公務員と地方公務員の生涯年収を比較すると、国家公務員のほうが高い傾向にあります。公務員として高収入を目指すなら、国家公務員を選択したほうが、実現する可能性が高いでしょう。
公務員の給与は、職種や勤務地などの条件によって細かく規定されています。自分が目指す職種や勤務地などの条件を想定したうえで年収をシミュレーションすると、より具体的なイメージをつかみやすいでしょう。
出典
内閣官房内閣人事局「国家公務員の給与 令和3年版」
東京都人事委員会公式ホームページ | 給与決定と算出のしくみ
人事委員会勧告等の概要|東京都
独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計―労働統計加工指標集2020」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部