更新日: 2022.05.24 年収

やっぱり大学は出ておいた方がいい? 高卒と比べた場合の生涯年収の差って?

執筆者 : 柘植輝

やっぱり大学は出ておいた方がいい? 高卒と比べた場合の生涯年収の差って?
「大卒の方が給料がいいから、大学に行く」というのは珍しいことではなく、就職後の収入などを考えた上で大学へ進学する方も多いでしょう。
 
一方で、高卒との給料格差が社会問題となることもありますが、実際のところ、大卒と高卒とではどれくらい生涯年収に差がつくのか、そして大学は卒業しておくべきなのか考えてみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

大卒と高卒の生涯年収の差

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の統計によると、学校を卒業してから60歳まで正社員として継続して働いた場合、生涯に稼ぐ金額は大学・大学院卒(以下、大卒)の男性で約2億6900万円、女性では約2億1700万円となっています(いずれも退職金を含めず)。
 
一方、高卒の場合は男性で約2億1300万円、女性で約1億5200万円となります。大卒と比較して男性で5600万円ほど、女性では6500万円ほど生涯年収が低くなっていますが、もちろん高卒でも業種や職種、本人の努力などによって大卒と同等以上に稼いでいるという方もいます。
 
しかし統計を見る限りは、やはり全体的に大卒と高卒とでは年収に大きな格差があると言わざるを得ません。
 

出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「ユースフル労働統計2021 労働統計加工指標集」
 
また、ハローワークの求人票や求人サイトなどでも、賃金について大卒と高卒とでは分けて記載されており、大卒の方が高い賃金で募集している会社がほとんどです。
 

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退職金を含めるとどうなる?

賃金以外の退職金についても、やはり大卒の方が有利となるようです。
 

出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「ユースフル労働統計 2021 労働統計加工指標集」
 
上記の統計(2018年)では、管理・事務・技術職での大卒の退職金に対して、高卒では9割ほど、それ以外の現業職なら8割未満です。
退職金を含めても、基本的に生涯収入は大卒の方が多くなっています。
 

なぜ企業は学歴を重視するのか

企業が学歴を重視するのには理由があります。例えば、より良い人材を採用し、会社を発展させていくためなどが挙げられます。
 
実際の能力や会社への貢献度は働いてみない限り分かりませんが、大勢の人の中から効率よく採用しようと思ったら、何らかの基準を設けて選考する必要があります。
 
そうなってくると、会社や職種などにもよりますが、採用時の1つの客観的指標として学歴が有効となり得ます。大学受験を経て専門分野の勉強や研究、学生生活で多様な経験をしてきたであろう大卒者の将来の成長を見込んで、多くの企業は学歴を重視しているということです。
 

大学進学がいい方向に転ばないこともある

とりあえず大学を出ておけば、高卒で働くよりも将来は多くお金が稼げるだろうと安易に進学しても、必ず上手くいくとは限りません。
 
大学のネームバリューや在学中の活動、タイミングなどによっては希望するような就職ができず、高卒で就職した方がよかったということもあり得ます。特に高卒での就職に関しては、担任や進路指導の先生から手厚いサポートを受けられるケースも多く、基本的に自己責任となる大学より有利な面もあります。
 
また、大学は学費も高額になりますが、特に私立大学では年間100万円以上の学費が必要となるため、奨学金で賄う場合は卒業後の返済が大きな負担となることもあるからです。
 

生涯年収などを考えたら大卒のメリットは多い

高卒と大卒の生涯年収を比べた統計では、大卒の方が5600万円~6500万円ほど高くなっており、退職金や就職の選択肢まで含めて考えると、一般的には大学を出ておいた方がいいといえます。
 
しかし、必ずしも大卒が高卒より収入が多くなるとは限らないので、大学進学で悩んでいるのであれば、大学で何を学びたいのか、卒業後はどういった職業に就きたいのか、ある程度は将来について考えた上で進学するのがいいのではないでしょうか。
 

出典

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計 2021 労働統計加工指標集
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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