更新日: 2022.06.20 年収

【日本は薄給?】「博士号」を取った人の平均年収と海外の取得者を比較して解説

執筆者 : 川辺拓也

【日本は薄給?】「博士号」を取った人の平均年収と海外の取得者を比較して解説
博士号は各分野の研究を究めた人だけが取得できる、最高位の学位です。一般的に学歴が高いと収入は高くなりますが、日本で博士号を取得した人はどれくらいの年収をもらっているのでしょうか。
 
本記事では文部科学省の調査結果を基に、博士号を取得した人の年収事情を解説します。博士課程に進んだ後の年収の目安を知る参考にしてください。
川辺拓也

執筆者:川辺拓也()

2級ファイナンシャルプランナー

博士号取得者の年収は300~500万円になる割合が高い

科学技術・学術政策研究所の調査によると、博士課程取得者の年収で最も多いレンジは300~500万円となりました。男女別でみると図表1の通り、男性では400〜500万円、女性は300~400万円の割合が最も高いです。
 
図表1


出典:科学技術・学術政策研究所(NISTEP) 「博士人材追跡調査 第4次報告書」
 
博士号まで取得しても、すぐに高い年収を稼げるわけではないといえるでしょう。
 

博士課程取得者でも分野によって年収に大きく開きが生まれている

博士号取得者を分野別に見ますと、保健や工学、社会では800万円以上の高所得者が生まれることもあるようです。一方で、人文系は200万円未満の層が最も多いです。
 
図表2


出典:科学技術・学術政策研究所(NISTEP) 「博士人材追跡調査 第4次報告書」
 
以上から、同じ博士号取得者でも分野によって収入に大きな差があるといえます。収入差が大きく発生する原因の一つに、雇用形態の違いも挙げられます。図表3を見ますと、工学や保健では正規雇用の割合が多数を占めていますが、人文系では41.0%にとどまっています。
 
図表3

出典:科学技術・学術政策研究所(NISTEP) 「博士人材追跡調査 第4次報告書」
 
雇用形態の違いが年収格差を生む全ての原因とはいえません。しかし、正規雇用と収入は相関があるといえます。
 

稼ぎづらいイメージの博士号は海外と比較して人気がない

博士号を取得している人の人数は海外と比較しても日本は低水準です。諸外国と日本の博士号取得者数を、人口100万人当たりで比較すると図表4の通りになります。
 
図表4


出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所「 科学技術指標2021 人口100万人当たりの修士号取得者数の国際比較」
 
日本は120人と諸外国と比較しても少ない数値にとどまっています。諸外国ではイギリスの375人が最多で、最も少ない国は中国の44人でした。諸外国の大学院は、博士課程から大学と雇用契約を結んで、学費や生活費をもらいながら研究を行います。
 
日本の大学院と大きく特性が異なる事情もあり、取得者数に大きな違いが生まれているといえます。
 

博士課程の今後の在り方について政府も検討課題にしている

博士課程に進んだ後の収入事情を解説しました。博士課程に進んでも年収が300~500万円に収まる人が平均的です。分野や経験年数によって年収は異なるので、博士課程に進んでも収入が低いままではありません。
 
政府は博士号の取得者数が諸外国に比べて低い水準であることを問題視しています。博士号を取り巻く環境が改善されていくか、今後は注目していく必要がありそうです。
 

出典

科学技術・学術政策研究所(NISTEP) 博士人材追跡調査 第4次報告書
文部科学省 科学技術・学術政策研究所 科学技術指標2021 人口100万人当たりの博士号取得者数の国際比較
 
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー

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