「頑張って働いてこの仕打ち…」児童手当が廃止される「年収1200万」ギリギリ世帯が受給条件をクリアする方法とは?
配信日: 2022.06.30
この記事では、児童手当の所得制限の概要と、課税所得を下げる方法、控除の対象になるiDeCoについて紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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児童手当の概要と変更点
児童手当は、中学校卒業までの児童を養育している人に対して、児童が3歳未満の場合は1万5000円、3歳以上小学校修了前の場合は1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生の場合は1万円を支給する制度です。
児童を養育している人の所得が「所得制限限度額」を超えている場合は「特例給付」に分類され、児童1人当たり月額5000円が支給されます。
以前は所得の上限限度額は定められておらず、額の多少はありますが、全ての人が受給できるものでした。しかし、令和4年6月分からは「所得上限限度額」が設けられ、年収が所得制限を超えると児童手当は支給されません。
所得制限がない世帯は1万~1万5000円、所得制限以上で所得上限限度額未満の世帯は5000円、所得上限限度額以上の世帯は廃止という3つに分類されることになりました。
所得上限限度額は「年収」ではなく「所得」で決まる
所得上限限度額について「年収1200万円を超えると児童手当が支給されない」と理解している人が多いかもしれませんが「年収1200万円」はあくまで目安にすぎません。所得限度額や所得上限限度額は、年収からさまざまな控除を差し引いた所得額によって判断されます。
例えば、所得上限限度額(所得額)は、扶養親族が1人(児童1人)の場合896万円で、収入の目安は1124万円です。扶養親族が2人(児童1人と年収103万円以下の配偶者)の場合は934万円で年収の目安は1162万円、扶養家族が3人(児童2人と年収103万円以下の配偶者)の場合は972万円で年収の目安は1200万円となります。
つまり「年収が1125万円だからギリギリで支給対象だ」と思っていても、扶養親族が1人の場合は所得上限限度額を超えているかもしれず、「年収1200万円を超えてしまった」と思っていても扶養親族が5人いれば所得上限限度額を下回っている可能性があるということです。所得上限限度額を確認する場合は、年収ではなく所得額で考える必要があります。
iDeCoの掛け金は全額所得控除の対象になる
児童手当の支給対象になるためには、所得額が所得上限限度額を下回らなければなりません。年収を減らさずに所得額を減らす方法として考えられるのが、所得控除額を増やす方法です。ここで注目したいのが「小規模企業共済等掛金控除」です。
小規模企業共済法に規定された共済契約に基づいて掛け金を支払った際に掛け金が控除されるもので「iDeCo(個人型年金加入者掛金)」はその対象になります。iDeCoは月5000円以上から始めることができ、会社に企業年金がない会社員の場合は月額2万3000円、年額27万6000円を上限として掛け金を拠出することが可能です。
その全てが所得控除となるため、「所得上限限度額をギリギリ超えてしまい、児童手当がもらえない」という場合は試してみる価値があるでしょう。
所得額を減らして児童手当の対象に!iDeCoを活用してみよう
令和4年6月分から児童手当の支給に所得制限が追加され、所得が上限限度額を超えた場合は児童手当を受け取れなくなりました。上限限度額は年収から控除額を差し引いた所得額で判断されるため、年収の目安を超えていても諦めずに対策してみることが大切です。
iDeCoを利用して掛け金を所得控除の対象にする方法で、年間の所得額を抑えられる可能性があります。
出典
内閣府 令和3年児童手当見直しに関する全国説明会資料
横浜市 児童手当-令和4年度から児童手当の制度が一部変更になります
内閣府 児童手当制度のご案内
iDeCo公式サイトiDeCo(イデコ)をはじめるまでの5つのステップ
国税庁 小規模企業共済等掛金控除とは
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部