更新日: 2022.08.10 年収
「フランチャイズのコンビニオーナー」って実際大丈夫なの? 働き方や年収を調べてみた!
身近にあるコンビニではフランチャイズのオーナーを募集しているチラシやポスターをよく目にすることもあり、コンビニのフランチャイズオーナーを考えたことがある人もいるでしょう。
コンビニのフランチャイズオーナーというのは実際、自由に働けるのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
コンビニのフランチャイズオーナーになる方法とは
まずは、開業したいコンビニのフランチャイズ加盟店募集のサイトの説明会に参加したり、資料請求をしたりするところから始めます。開業資金はフランチャイズ本部や契約タイプによって異なります。
例としてそれぞれのフランチャイズの加盟金ですが、全国展開している大手コンビニでは100万円から300万円ほどとなっています。ただし、これは「土地や建物を持っている場合」ですので、条件によって加盟金は異なります。
土地や建物を持っている場合は開業資金の自己負担分はその分多くなりますが、その後支払っていく本部へのロイヤルティー(手数料)が下がり、反対に土地や建物をフランチャイズ本部が用意した場合、開業資金は抑えられますが、その後のロイヤルティーが上がる傾向にあります。
開業後、運営していく上での費用を考えると人件費や原材料費、ロイヤルティーなども加算されますので、さらに1000万円以上の費用が必要になってきます。また、店舗運営に必要な経験を得るため3ヶ月~1年間ほどのインターン期間や、店を回すための人員の確保も同時に必要になってきます。
コンビニのフランチャイズオーナーの年収や仕事内容とは
オーナーの年収は自分の持つ店舗の経営状況によって異なります。平均年収は700万円ほどとなっていますが、経営状況の悪い店舗のオーナーの場合、年収は約300万円。経営状況の良い店舗や複数店舗運営に成功しているオーナーになると年収は約1000万円となる場合もあります。ただし、これは1店舗当たりでの年収なので、夫婦や親子での経営の場合は1人当たりの年収はその分少なくなるということになります。
コンビニオーナーの主な仕事内容は店舗の経営です。具体的には売り上げの管理や、従業員の育成、シフト管理、商品の在庫管理や発注、本部とのミーティングなどの業務が挙げられます。ただし、店頭に立つスタッフが確保できなければ店内業務もオーナーが担当することになります。
2018年、経済産業省が3万人あまりのオーナーに対し実施した調査では約1万1000人が回答しました。このうち61%が「従業員が不足している」と回答しています。また、39%が「フランチャイズに加盟したことについて満足していない」と回答していて、その理由(複数回答)は「想定よりも利益が少ない」(3644人)、「労働時間・拘束時間が想定より長すぎる」(3014人)などが挙げられています。
コンビニのフランチャイズオーナーが働く環境はブラックなのか
コンビニを経営して大変な生活を送っているオーナーは少なくありません。その理由としてまず挙げられるのが経営不振です。うまく集客できず売り上げが立たないと、もちろん経営は厳しくなります。たとえ集客できたとしても、売り上げの構成が店内で調理するおでんやから揚げなどのファストフードの比率が高くなるにつれ、調理コストがかさむため店の利益が減ります。
また、商品の陳列や発注などのほかに、ファストフードの調理、コンサートチケットや宅配便、公共料金等の代行サービス、トイレや店舗内外の清掃など多岐にわたる業務をこなせる人材を確保しなければなりません。スタッフの確保がうまくいかないために長時間労働せざるを得ない環境にいるオーナーも少なくありません。
その他にも経営が苦しくなる要因はいくつかありますが、簡単には閉店できない契約になっていることがオーナーを苦しめる要因となっているケースも見受けられます。本部との契約形態や内容によっては、短期で閉店すると多額の違約金が発生することがあるため、借金を負いたくないという理由から苦しい状況でも閉店を躊躇(ちゅうちょ)してしまうケースも報告されています。
以上のような条件が重なり、経営が苦しくても、人手が足りなくても閉店できないため余裕のない労働環境で働かざるを得ない状況に陥っているコンビニのフランチャイズオーナーがいるほか、一部では会社とフランチャイズオーナーの間で訴訟に発展しているのが現実です。こうした中、店舗数を増やしていくためフランチャイズオーナーの募集が行われています。
また、経済産業省は2019年から2020年にかけてコンビニ業界の課題等を議論する検討会として「新たなコンビニのあり方検討会」という有識者会議でコンビニをめぐる課題を議論しました。フランチャイズオーナーや本部のヒアリングも行い、議事録や発言内容、資料をホームページに公開しています。さまざまな課題がある中、フランチャイズオーナーの働く環境の改善に向けた取り組みも進みつつあるようです。
コンビニフランチャイズオーナーは結局どうなのか
結論として、コンビニのフランチャイズオーナーを始めるのであれば、しっかり情報を集めて業界の現状を調べ、働く環境にリスクが生じることも念頭に置いておく必要があるといえます。
また、防衛策として、ほかの業種同様に、全国のコンビニエンスストア加盟店で組織する労働組合があります。単独で交渉することが難しいフランチャイズオーナーの課題解決の一助になることでしょう。
出典
経済産業省 コンビニ調査2018
経済産業省 新たなコンビニのあり方検討会
コンビニ加盟店ユニオン
株式会社ローソン フランチャイズオーナー募集
株式会社セブン‐イレブン・ジャパン フランチャイズで独立開業ならセブン-イレブン
株式会社ファミリーマート フランチャイズ加盟店募集
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部