更新日: 2022.08.23 年収

子育て世帯の中で公的支援や自治体のサポートが受けられなくなるのは、年収いくらから?

子育て世帯の中で公的支援や自治体のサポートが受けられなくなるのは、年収いくらから?
現在、日本には子育て世帯に対する公的支援や自治体のサポート制度があります。ただ、その多くが所得制限を設けており、高収入の世帯では公的支援やサポートが受けられない状況にあります。
 
では、実際に公的支援やサポートが受けられなくなるのは、年収いくらからなのでしょうか。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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児童手当(※1)

児童手当は、子育て世帯に支給される国の支援制度の1つです。
 
支給対象は、「中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人」で、支給額は図表1のとおりです。
 
【図表1】

 

■所得制限限度額(※2)

児童手当を受けるためには、扶養親族等の数に応じた所得制限限度額以下でなければなりません。ちなみに、所得制限限度額は図表2のとおりとなっています。
 
【図表2】

 
扶養親族等の数が6人以上の場合は、図表2の額に1人につき38万円を加算して判断します。
 
厚生労働省の厚生統計要覧(令和3年度)(※3)によると、2019年における世帯人数の平均は2.39人と、約2~3人であることが分かります。
 
2人親世帯であれば、子どもは1人ということになりますので、扶養親族等の数が2人の場合であれば、年収が917万8000円以上だと、児童手当は受けられないことになります。
 
また、現在では所得制限以上であっても、特例給付として一律5000円が支給されていますが、2022年10月(※4)より、世帯主の年収が1200万円以上(2人親、年収103万円未満の配偶者で子どもが2人の場合)になると、特例給付の支給対象外となることが決まっています。
 
ちなみに、2人親(配偶者は年収103万円未満)で子どもが1人の場合は、年収1162万円以上が対象外となるボーダーラインです。
 

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子ども医療費助成制度

自治体が主体となって行っているサポートの1つに、子ども医療費助成制度があります。ここでは、横浜市を例に解説します。
 

■小児医療費助成(※5)

横浜市内に住所があり、健康保険に加入している子どもが、病気やけがで医療機関を受診したとき、子どもの年齢に応じて自己負担額を助成する制度です。
 
令和3年4月より、1歳および2歳児の所得制限がなくなりましたが、3歳以上になると所得制限があります。所得制限額については図表3のとおりです。
 
【図表3】

 
夫婦世帯で子どもが1人の場合は、616万円が所得制限額です。
 

私立高等学校授業料の実質無償化(※6)

2020年4月より始まった、私立高等学校授業料の実質無償化制度は、所得額に応じて、高等学校へ通う生徒への支援を行う制度です。
 
それまでもあった制度ですが、2020年より支援額が引き上げられました。そのため、私立高等学校に通う子どもがいる家庭にとっては、非常に助かることになったといえるでしょう。
 
この制度の所得制限額は、片働きか共働きかどうか、そして子どもの人数によって異なります。
 
【図表4】

 
片働き世帯で子どもが2人(どちらも高校生)の場合だと、公立高等学校以上の支援額をサポートしてもらうためには、年収が約640万円未満である必要があります。また共働き世帯だと、約720万円未満であることが条件です。
 
ただし、公立高等学校に通う子どもがいる場合は、子どもの数と年齢にもよりますが、約1090万円以下まで基準が緩和されます。
 

まとめ

子育て世帯における公的支援や自治体のサポートには、これまで紹介したもの以外にもさまざまなものがありますが、児童手当以外の制度に関しては、約620万~660万円がサポートを受けられなくなるボーダーラインといえます。
 
児童手当については、平均世帯人数からみると、約900万円がボーダーラインといえるでしょう。
 
国税庁の統計(※7)によると、業種全体の平均給与は467万円、年齢別に見ると、35~39歳の男性が589万円、40歳~44歳だと645万円、40歳代後半だと695万円で、50歳代前半がもっとも多い737万円です。
 
最近は共働き世帯が増えているため、さらに世帯の所得は増加していることが考えられ、せっかくの公的支援やサポートが受けられない世帯が増えてくることが予想されます。
 

出典

(※1)内閣府 児童手当制度のご案内
(※2)厚生労働省 児童手当 所得制限限度額表
(※3)厚生労働省 厚生統計要覧(令和3年度)より第1編 人口・世帯 第3章 世帯
(※4)内閣府子ども・子育て本部児童手当管理室 令和3年児童手当見直しに関する全国説明会資料(令和3年9月1日)
横浜市 ホームページ
(※5)横浜市 小児医療費助成
(※6)文部科学省 令和2年4月から私立高校授業料実質無償化がスタート!
(※7)国税庁 1.平均給与
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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