額面年収と手取り年収はどう違う?
配信日: 2022.09.29
一般的には年収について聞かれた際には額面年収のことを指しますが、実際に自分自身が自由に使用できる年収は額面金額よりも少ないので注意してください。今回は額面年収と手取り年収の違いについて解説していくので参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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額面年収と手取り年収の違いとは
額面年収は実際に一年間で稼いだ年収のことを指しますが、額面年収から税金や社会保険料などが差し引かれて残った年収のことを手取り年収といいます。
どれくらいの金額が税金や社会保険料として差し引かれるかは人によって違い、日本では累進課税制度が採用されているため額面年収が多ければ多いほど支払う税金は多くなるでしょう。
額面年収から税金や年収が差し引かれることから、額面年収と差し引かれた後の手取り年収では数十万円から数百万円の差があることが多いです。
手取り年収で計算をする意識を持つ
例えばローンなどでは額面年収で審査をするケースが多いですが、額面年収はすべてを使用できるわけではありません。ローンの返済などは手取り年収で考えて毎月の返済額などに無理がないかを考えるようにしましょう。
額面年収で返済額などを考えると返済が困難になってしまうケースも珍しくありません。そのため、普段からさまざまな場面で額面年収で考えるのではなく、手取り年収で考える意識を持ってください。
累進課税によって所得税の税率は異なる
日本では累進課税制度が採用されているため、額面年収から各種控除が差し引かれた後の所得金額に応じて所得税の税率は異なります。累進課税制度で適用される税率は図表1の通りです。
図表1
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000円から194万4000円ま で | 5% | 0円 |
195万円から329万9000円まで | 10% | 9万7500円 |
330万0000円から694万9000円まで | 20% | 42万7500円 |
695万円から899万9000円まで | 23% | 63万6000円 |
900万円から1799万9000円まで | 33% | 153万6000円 |
1800万円から3999万9000円まで | 40% | 279万6000円 |
4000万円以上 | 45% | 479万6000円 |
国税庁 No.2260 所得税の税率
上記のように所得が高くなれば高くなるほど税率は高くなり、4000万円以上の所得がある場合には半分近い金額を税金として支払わなければいけません。
所得金額を減らすにはふるさと納税を活用する
所得金額を減らして所得税の金額を減らすためには、所得税に設定されている控除だけでなく各種控除を活用しましょう。所得税控除の制度としてはふるさと納税が挙げられますが、ふるさと納税では家族構成や所得金額によって控除額上限は決定されます。
所得金額が多ければ多いほど控除額上限は高くなるので、自分がどれくらいの金額までが控除されるかについては先に確認しておきましょう。ふるさと納税では各自治体に寄付をすることになりますが、寄付した自治体ごとに設定されている返礼品がもらえます。
自分がどれだけの金額の控除が受けられるか確認してから、各自治体の返礼品について調べてみるのもおすすめです。
まとめ
額面年収と手取り年収では所得税などが差し引かれるため、金額に大きな差が生まれることが普通といえます。
所得税は累進課税制度により所得が高くなれば高くなるほど税率が高くなるため、所得税の基本控除だけでなくふるさと納税などの各種控除の活用がおすすめです。ふるさと納税などの国で認められている制度は積極的に活用して、節税対策などを取るようにしましょう。
出典
国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税の仕組み
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部