住宅ローン控除は所得2000万円を超える人は受けられません
配信日: 2022.10.02 更新日: 2022.10.03
しかし、令和4年の税制改正では住宅ローン控除も見直され、所得が2000万円を超える人は住宅ローン控除の適用を受けることができなくなっています。詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といいます。住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合で一定要件に該当する場合には、10年間または13年間にわたって、住宅ローンの「年末残高の1%または0.7%」が、所得税と住民税から控除できる制度です。
例えば、2021年12月31日以前にマイホームを購入した人の控除率は1%です。年末残高が3000万円だとしたら、その1%である30万円が住宅ローン控除額になります。これだけの控除額になるため、源泉所得税が全額還付になる人も多く、マイホーム購入を検討する際には頭に入れておくべき制度といえます。
住宅ローン控除の改正点
住宅ローン控除は居住開始が2022年1月1日以降分より、図表1の改正が行われました。
図表1
居住開始日 | ||
---|---|---|
令和3年12月31日以前 | 令和4年1月1日以降 | |
控除率 | 1% | 0.7% |
控除期間 | 10年間 | 13年間(10年の場合あり) |
住宅ローン控除限度額 | ・長期優良住宅、認定低炭素住宅…5000万円 ・その他の住宅…4000万円 |
・長期優良住宅、認定低炭素住宅…5000万円 ・ZHE水準省エネ住宅…4500万円 ・省エネ基準適合住宅…4000万円 ・その他の住宅…4000万円 |
所得 | 3000万円以下 | 2000万円以下 |
国税庁「No.1212 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」を基に筆者作成
所得制限が3000万円以下から2000万円以下に
改正によって、住宅ローン控除の対象者が所得3000万円以下から所得2000万円以下に変更されました。ここでいう金額は、年収ではなく所得である点に注意しましょう。
給与収入の所得とは、年収から給与所得控除を差し引いた残額のことをいいます。収入が給与収入のみの人の場合には、年収2195万円以下であれば所得2000万円以下となるため住宅ローン控除は適用できますが、年収2195万超では適用できません。
なお、所得2000万円の判断は毎年行います。例えば、前年は年収が2200万円で住宅ローン控除を受けられなかった場合であっても、当年の年収が2195万円以下であれば、当年では適用可能です。
会社経営者は役員報酬の設定に留意
会社員は、自身で給与を調整することはできないため、年収が2195万円を超える場合には住宅ローン控除は受けられないということを知った上でマイホームを購入することが重要になります。10年間または13年間で数百万円にもなる控除であるため、あるものと思い込むと危険だからです。
会社経営者など自身で役員報酬が設定できる人については、住宅ローン控除についても加味しましょう。
まとめ
住宅ローン控除は令和4年1月1日以降に入居した人については、所得2000万円(給与年収2195万円)以下でなければ適用を受けられなくなりました。従来の所得3000万円から一気に1000万円も下げられたため、該当者も増えたと考えられます。年収の多い人は、マイホーム購入前に必ず確認しましょう。
出典
国税庁 No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部