「車掌さん」って稼げるの? 年収はいくら?

配信日: 2022.10.31

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「車掌さん」って稼げるの? 年収はいくら?
バスや電車などを運転する車掌は、たくさんの人を目的地まで運ぶという点で社会に大きく貢献できる仕事です。そうしたやりがいのある職場で働きたいという人はたくさんいますが、実際に働いている人はどれくらい稼げているのでしょうか。
 
今回は厚生労働省の資料を参考に、車掌の平均的な年収や手取り額について紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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車掌さんの平均年収は約520万円

厚生労働省が公表している令和3年賃金構造基本統計調査によると、車掌さんの平均年収(企業規模計10人以上)は約520万円だということがわかります。
 
その内訳は、平均年齢38.3歳で月給34万500円、年間賞与109万5800円(34万500円×12ヶ月+109万5800円=518万1800円)です。ただし、その他の業種と同じく、従業員数の多い大規模な企業に勤めている車掌ほど、給与水準は高めである点は留意してください。
 
同資料では企業規模別の小計も公表しており、それによると従業員数1000人以上の大規模な企業では月給36万100円、年間賞与120万1300円がそれぞれ平均でした。その一方で、従業員数10~99人の比較的小規模な企業の平均は月給17万9700円、年間賞与16万1300円となっています。
 
大規模な企業の年収が約550万円(36万100円×12ヶ月+120万1300円=552万2500円)なのに対し、小規模な企業の年収は約230万円(17万9700円×12ヶ月+16万1300円=231万7700円)です。厚生労働省の資料からは、勤務する会社の規模によって車掌の年収が倍以上変わる可能性があることが読み取れます。
 

年収520万円の車掌さんの手取り額はどれくらい?

上述のように車掌の平均年収は約520万円ですが、これは手取り額ではありません。実際の手取り額は給与から健康保険や厚生年金などの社会保険料、所得税や住民税などの税金が差し引かれます。
 
まず、健康保険や厚生年金の保険料については標準報酬月額から算定される仕組みです。年収520万円は月給に換算すると約43万円になります。月給43万円は標準報酬月額の28等級に該当し、東京都の場合2万2198円(40~64歳は介護保険第2号被保険者に該当するため2万5806円)です。
 
そして、厚生年金は4万260円(25等級)、雇用保険は給与の0.5%ですので2150円が徴収されます。ここまで、社会保険料だけで毎月約6万5000円(2万2198円+4万260円+2150円=6万4608円)が給与から差し引かれる計算です。
 
所得税や住民税については配偶者や扶養親族の有無、加入している生命保険の保険料などによって所得控除額が変わりますが、それらの適用がない独身者の場合で計算していきます。
 
そのため、今回のシミュレーションで計算する所得控除は、給与所得控除148万円(520万円×20%+44万円)と基礎控除48万円の2つだけです。年間に支払う社会保険料が78万円(毎月6万5000円)だった場合の課税所得は「520万円-148万円-48万円-78万円=246万円」になります。
 
この場合、所得税は14万8500円(246万円×10%-9万7500円)です。住民税については基礎控除が43万円なので、課税所得は「520万円-148万円-43万円-78万円=251万円」になります。
 
税率はほとんどの自治体で10%で、それとは別に5000円が均等割りとして課されるため、納める税金は「251万円×10%+5000円=25万6000円」が目安です。合計すると、車掌の平均的な年間手取り額は約400万円(年収520万円-社会保険料78万円-所得税14万8500円-住民税25万6000円=401万5500円)になります。
 
なお、今回紹介した数値はいずれもある条件を元に算出したシミュレーションに過ぎません。実際の手取り額とは異なる可能性がある点は注意してください。
 

車掌さんの手取り金額は年収400万円が目安

厚生労働省の資料からは車掌さんの平均年収が520万円であることが読み取れました。しかし、平均年収520万円の手取り金額は年間でおよそ400万円程度になります。給与について考えるときは年収だけでなく、手取り金額でいくら残るかも気にしたほうが無難です。
 
また、車掌さんの年収は企業規模によって大きな差があります。収入面を重視する人はその点についても留意しましょう。
 

 

出典

厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査
全国健康保険協会 被保険者の方の健康保険料額(令和4年3月~)
厚生労働省 雇用保険料率について
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 給与所得控除
東京都主税局 個人住民税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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