更新日: 2022.12.04 年収
「年収1000万」の割合はこの10年で微増! 日本の年収は上がっている?
しかし実際のところ年収1000万円を達成している人は、ごく少数といえます。その1000万円を超える人の割合が、この10年で変化を見せています。
本記事では、年収1000万円の割合が10年でどのように変化したのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
年収1000万円の割合は10年間で2.8%から3.5%へ微増
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると民間企業に勤務する従業員のうち年収1000万円である人の割合は3%前後です。少数派であることには変わりはないものの、ここ10年間では割合が2.8%から3.5%へと増加しています。
実際の割合の推移は下記のとおりです。
2012年:2.8%
2013年:2.9%
2014年:3.1%
2015年:3.2%
2016年:3.1%
2017年:3.3%
2018年:3.6%
2019年:3.5%
2020年:3.4%
2021年:3.5%
微増ではあるものの、ここ10年は安定して増加傾向にあることがわかります。
日本全体の平均給与が上がる中で1000万円超えの割合も増えた
年収1000万円の割合が増えている背景には、日本全体の給与水準もこの10年で増加していることが挙げられます。先ほどの国税庁「民間給与実態統計調査」で日本の民間企業の平均給与の推移を見ると、平均給与は408万円から443万円に上昇しています。
2012年:408万円
2013年:413万円
2014年:415万円
2015年:420万円
2016年:421万円
2017年:432万円
2018年:440万円
2019年:436万円
2020年:433万円
2021年:443万円
日本全体の給与水準が上がる中で、年収1000万円を超える人が増え、割合も増えています。
年収1000万円の人だけが特別に増えたわけではない
この10年間で、年収1000万円を超える人の割合だけが増えたわけではありません。所得水準別の割合を10年前と比較すると、年収1000万円の人だけでなく、400万円以上の給与水準の人の割合が全体的に増えています。
100万円以下:(2012年)8.6%⇒(2021年)8.1%
100万円超200万円以下:(2012年)15.3%⇒(2021年)13.3%
200万円超300万円以下:(2012年)17.1%⇒(2021年)14.8%
300万円超400万円以下:(2012年)18.0%⇒(2021年)17.4%
400万円超500万円以下:(2012年)13.9%⇒(2021年)15.0%
500万円超600万円以下:(2012年)9.4%⇒(2021年)10.5%
600万円超700万円以下:(2012年)5.7%⇒(2021年)6.7%
700万円超800万円以下:(2012年)4.0%⇒(2021年)4.6%
800万円超900万円以下:(2012年)2.5%⇒(2021年)2.9%
900万円超1000万円以下:(2012年)1.7%⇒(2021年)1.9%
1000万円超1500万円以下:(2012年)2.8%⇒(2021年)3.5%
1500万円超2000万円以下:(2012年)0.6%⇒(2021年)0.8%
2000万円超2500万円以下:(2012年)0.2%⇒(2021年)0.3%
2500万円超:(2012年)0.2%⇒(2021年)0.3%
一方で、400万円以下の人の割合が減少しています。10年前と比較して、年収1000万円以上の人だけが特別に増えたというわけではなく、年収400万円を上回る人が全体的に増加しているといえます。
物価上昇を考えると年収1000万円の価値は10年前より低い?
年収1000万円の人の割合が10年前と比べて増加しているものの、物価上昇を考えるとそれほど良い状況とはいえないかもしれません。
消費者物価指数(2020年=100とした基準)を見ると、10年前の2012年は94.5であったのが、2021年は99.8です。6%ほど物価が上昇していることを考えると、年収1000万円の価値は10年前ほど高くないともいえます。
年収1000万円に憧れるよりも無駄な出費を抑えるなど堅実なお金の使い方をした方が豊かな暮らしが手に入れやすいかもしれません。
出典
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-
国税庁 平成28年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-
総務省統計局 全国2021年(令和3年)12月分及び2021年(令和3年)平均
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部