更新日: 2022.12.14 年収

年収500万円の人は将来どれくらいの年金をもらえる? 年金受給額の計算方法

年収500万円の人は将来どれくらいの年金をもらえる? 年金受給額の計算方法
自分が将来もらえる年金額に興味がある人は、多いのではないでしょうか。
 
しかし、実際に自分の年収でいくら年金をもらえるのか正確に分かる人は少ないと思われます。将来もらえる金額を前もって知っておくと、事前に不足分を補うための対策ができます。
 
本記事では、例として年収500万円の人が将来もらえる年金額を解説します。将来年金をどれくらいもらえるのか、またそれを調べる方法を知りたい人もぜひご一読ください。
FINANCIAL FIELD編集部

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もらえる年金額の計算方法

年金には遺族年金や障害年金などもありますが、一般的に65歳からもらえる年金のことを老齢年金とよんでいます。受け取る年金額は、年金受給年齢を60歳に繰上げたり、75歳まで繰下げたりすることで違いが生じますが、本記事での年金受給額は65歳で受給する年金額とします。
 
まずは老齢年金の内訳について解説します。
 

もらえる年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金

老齢年金には以下の2種類があります。

・老齢基礎年金
・老齢厚生年金

老齢基礎年金はいわゆる国民年金とよばれている年金で、20歳以上で日本に居住しているすべての人に加入義務があり、一律の保険料を支払います。
 
一方、老齢厚生年金は、会社勤めや公務員の人が加入の対象で、収入によって支払保険料が異なります。
 

老齢基礎年金(国民年金)は一律の計算

国民年金保険料は毎年変わりますが、令和4年度は月額1万6590円です。一方、40年間保険料を支払った場合の年金受給額(年間)の満額は77万7800円です。年金保険料は40年間支払うと満額給付(受給資格は10年以上の支払い)されます。令和4年度の年金受給額は以下の計算式で算出します。
 
77万7800円×保険納付済月数÷480ヶ月(40年間)
 
保険料が免除となった期間も、受給資格期間に含まれます。免除を受けた期間の保険納付済月数は、全額免除期間は保険料を全額納付した場合の2分の1(平成21年3月分までは3分の1)、4分の3免除期間は8分の5(同2分の1)、半額免除期間の4分の3(同3分の2)、4分の1免除期間は8分の7(同6分の5)とします。
 
ただし、納付猶予と学生納付特例の期間は受給資格期間に含まれますが、年金額には反映されません。反映させるには、追納が必要となります。
 

老齢厚生年金は平均標準報酬月額または平均標準報酬額から計算

老齢基礎年金(国民年金)の年金受給額の計算は比較的簡単ですが、老齢厚生年金の場合は定められた標準報酬額表で自分の該当する報酬額によって違いがあるので複雑になります。
 
老齢厚生年金受給額の計算では、標準報酬額や 平均報酬額など似たような言葉が出てくるので、ここで言葉の意味をしっかり理解しておきましょう。

・報酬:基本給に各種手当てを加えたもので賞与を除く
 
・標準報酬月額:月単位の報酬を1等級(8万8000円)から32等級(65万円)までの32段階に分けて、 該当する等級の金額
 
・平均標準報酬月額:被保険者期間中の標準報酬月額の合計を被保険者期間の月数で割った金額
 
・平均標準報酬額:過去の標準報酬月額と賞与を合算した額(平成15年4月の総報酬制導入以後の期間)

なお、年金受給額の計算では過去の標準報酬額も計算の対象になるので、賃金上昇率を考慮して再評価を行います。
 

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平均年収500万円の人がもらえる年金額

年金受給額の計算は過去にもらった報酬額の平均から割り出すため、退職前の年収で計算するわけではありません。
 
源泉徴収票に記載されている年収ではなく、給与明細票に記載されている健康保険料や厚生年金保険料などから標準報酬月額を割り出して計算する必要があるのです。つまり、自分の標準報酬月額を調べることで、現時点での年金受給額を確認できます。
 

標準報酬月額の調べ方

標準報酬月額は年金受給額の計算だけでなく、健康保険の計算でも利用されています。そのため、給与明細に記載されている健康保険料からも標準報酬月額を調べられます。
 
健康保険料または厚生年金保険料を確認したら、勤務している会社がある都道府県の保険料率表から標準報酬月額を調べましょう。
 
【図表1】(東京都の標準報酬月額表より抜粋)

等級 報酬月額 標準報酬 健康保険料 厚生年金
以上~未満 月額 健康保険 介護保険 健保+介護 被保険者
19 16 23~26万円 24万円 1万1772円 1968円 1万3740円 2万1960円

※令和4年3月(令和4年4月納付分)~

所在地が東京都の企業に勤務している場合、健康保険料が1万1772円であれば、図表1で対比する標準報酬月額は24万円と分かります。
 

平均年収500万円の場合の年金受給額計算方法

年金受給額の計算をするためにはさまざまな条件を設定する必要がありますが、本記事では以下の条件で算出します。

・老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに保険料の納付期間40年(480ヶ月)とする
・老齢基礎年金の満額給付額は平成4年度の金額77万7800円とする
・給付乗数は、平成15年4月以降の5.481/1000 に統一する

◆老齢基礎年金受給額の計算
77万7800円×480ヶ月(保険納付済月数)÷480ヶ月(40年間)=77万7800円
 
◆老齢厚生年金受給額の計算
年金受給額=平均標準報酬額 × 給付乗率 × 厚生年金保険料支払期間
500万円×5.481/1000×40年間=109万62000円
 
◆年金受給総額
老齢基礎年金受給額+老齢厚生年金受給額=年金受給総額
77万7800円+109万6200円=187万4000円
 

収入が少ないと感じたら早めに対策を!

平均年収500万円の場合、もらえる年金額は老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて年間約187万円になります。
 
これは単身の場合です。したがって、配偶者がいる場合はさらに国民年金77万8800円が加わり、約264万円となります。月間にすると約22万円と老後の生活資金として十分とはいえない金額です。
 
平均年収500万円以下の場合は、iDeCoやつみたてNISA、個人年金などの加入など早めに対策する必要があるでしょう。
 

出典

日本年金機構 老齢年金ガイド
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 国民年金の保険料はいくらですか。
人事院 2 年金制度の概要
日本年金機構 は行 標準報酬月額
日本年金機構 は行 平均標準報酬月額
日本年金機構 年金額の計算に用いる数値
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部