更新日: 2022.12.24 年収
「年収が上がるほど社会保険料が増える」はウソ!? 健康保険料と厚生年金保険料の「上限」について解説
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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会社員は社会保険料が天引きされる
会社員は、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料を毎月支払っています。自分で計算する機会が少ないため実感がないかもしれませんが、毎月の給与明細を確認してみてください。かなりの額が給与から天引きされているはずです。会社員が天引きされる社会保険料は以下のとおりとなっています。
●健康保険料
●介護保険料(40歳以上)
●厚生年金保険料
●雇用保険料
社会保険料は生活の中で起こりうる病気やけが、老いなどに備える役割があり、「社会保険料を払う=損」ではありません。しかし、毎月の負担を重荷に感じる方も多いのではないでしょうか?
社会保険料は給与により異なる
社会保険料は、皆が同じ保険料を支払うわけではなく、人により金額は異なります。健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料は会社により保険料が異なる場合もありますが、同じ会社であれば、給与が多いほど社会保険料は高いです。
東京に所在し、一般的な事業を行う中小企業に勤務する40歳未満の会社員の場合、年収ごとに支払う社会保険料の目安は図表1のとおりです。
図表1
年収 | 健康保険料 | 厚生年金保険料 | 雇用保険料 | 社会保険料合計 |
---|---|---|---|---|
300万円 | 約15万円 | 約29万円 | 1万5000円 | 約45万5000円 |
500万円 | 約24万円 | 約45万円 | 2万5000円 | 約71万5000円 |
700万円 | 約35万円 | 約65万円 | 3万5000円 | 約103万5000円 |
900万円 | 約44万円 | 約71万円 | 4万5000円 | 約119万500円 |
筆者作成
図表1のとおり、年収が上がるほど社会保険料は高くなり、負担が重くなります。
健康保険料と年金保険料には上限がある
すべての社会保険料が給与に併せて上がり続けるわけではありません。実は、健康保険料(40歳以上は介護保険料を含む)と厚生年金保険料には上限があります。
健康保険料と厚生年金保険料は、月の給与(標準報酬月額)とボーナス(標準賞与額)それぞれにかかります。東京都中小企業勤務の40歳未満の会社員の場合、令和4年の健康保険料と厚生年金保険料の月の上限(賞与を受け取る場合、賞与は別で計算)は以下のようになります。
健康保険料:6万8179円(報酬月額135万5000円~)
厚生年金保険料:5万9475円(報酬月額63万5000円~)
日本の平均年収から考えると、月の給与が63万5000円を超える方は多くはいないと思いますが、ボーナスが63万5000円を超える人は結構いるかもしれません。そのような人は、「厚生年金保険料の上限」に達しています。
また、都道府県により定められている保険料は異なります。大企業の場合には独自で健康保険や厚生年金保険を運営して保険料を決めていることもあるので、ぜひご自身の社会保険料を確認してみてください。
雇用保険料や税金に上限はない
健康保険料(40歳以上は介護保険料含む)と厚生年金保険料には上限がありますが、雇用保険料や所得税、住民税に上限はありません。所得が上がるほど、負担額は増えます。特に所得税率は最高45%が適用されるため、個人の所得が増えるほど所得税の負担は大きいです。
制度を利用して手取りを増やそう
会社員は節税がしづらい仕組みになっていますが、全く節税ができないわけではありません。iDeCoや医療費控除を使えば支払う税金を安くできます。国が用意した制度を賢く利用して、手取りを少しでも増やすことを検討してみてください。
出典
東京都 令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
全国健康保険協会協会けんぽ 標準報酬月額・標準賞与額とは?
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部