更新日: 2022.12.26 年収

平均年収500万円のフリーランスと平均年収500万の会社員。金銭的にどちらがお得?

平均年収500万円のフリーランスと平均年収500万の会社員。金銭的にどちらがお得?
「会社員は税金や社会保険料を多く払っている」「フリーランスや個人事業主は節税ができる」といった噂を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
 
本記事では、平均年収500万円の会社員と平均年収500万円のフリーランスのどちらが金銭的に得なのかを、社会保険料と税金の観点で解説します。社会保険料や税金の仕組みも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
 
なお、本記事でシミュレーションする会社員とフリーランスは、ともに東京都練馬区在住の32歳で22歳~60歳まで働き、平均年収が500万円であることを前提とします。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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会社員とフリーランスで加入する社会保険は異なる

会社員とフリーランスでは、加入する社会保険の種類が異なります。それぞれが加入する社会保険は以下のとおりです。

会社員:健康保険、介護保険(40歳以上の方)、厚生年金、労災保険、雇用保険、
フリーランス:国民健康保険、介護保険(40歳以上の方)、国民年金

上記のとおり、会社員とフリーランスでは加入する社会保険が異なり、補償が手厚いのは会社員です。また、会社員の社会保険料の一部は、雇用している会社が負担します。
 

年金は会社員が多く受給できる

年金は、原則、フリーランスよりも会社員が多く受給できます。ただし、年金を受給するために支払う年金保険料も会社員の方が高いです。フリーランスは年収に関わらず、支払う年金保険料は一定となります。
 
年収500万円の会社員とフリーランスの、支払う年金保険料と受給する年金額の目安は、以下のとおりです(※2022年度の場合)。

年間年金保険料(目安)

会社員:約45万円
フリーランス:約20万円

65歳から受給する年間年金額(目安)

会社員:約180万円
フリーランス:約78万円

受給時期を遅らせることなどで、受給金額を増やすことも可能です。
 

フリーランスは、所得で国民健康保険料が決まる

会社員は、給与水準が健康保険料に大きく影響します。一方で、フリーランスは収入から経費を差し引いた所得によって国民健康保険料が決まります。そのため、同じ年収500万円のフリーランスでも、所得がいくらかにより、国民健康保険料は大きく異なります。
 
本記事では、年収500万円の会社員が税金を計算する際に、みなし経費として計上する給与所得控除144万円をフリーランスの経費として、シミュレーションしてみましょう。
 
会社員の健康保険料とフリーランスの国民健康保険料の目安は以下のとおりです(※2022年度の場合)。

会社員:約24万円
フリーランス:約35万円

フリーランスの方が年間保険料は高いです。ただし、会社員の健康保険料は会社と従業員が半額ずつ負担しています。上記は従業員負担の健康保険料ですので、保険料総額で考えると、会社員の健康保険料の方が高いです。
 
一方で、会社員の健康保険は日常の病気やけがで働けなくなった際に、収入の一定割合を最大1年6ヶ月補償する「傷病手当金」が支給されますが、国民健康保険料には傷病手当金がありません。そのため、一概に保険料の高低だけで判断するのは難しいでしょう。
 

フリーランスと会社員の社会保険料まとめ

フリーランスと会社員の社会保険は加入する種類や補償内容が異なるため、横比較することは難しいですが、今までシミュレーションした内容等を合わせた年収500万円の会社員とフリーランスのそれぞれの社会保険料のまとめは図表1のとおりです。
 
【図表1】

健康保険料
国民健康保険料
年金保険料 雇用保険料 社会保険料合計
会社員 約25万円 約45万円 2万5000円 約72万5000円
フリーランス 約35万円 約25万円 約60万円

筆者作成
 
図表1のとおり、会社員の方が支払う社会保険料は多いです。ただし、社会保険の保障も会社員の方が手厚いので、一概に良し悪しを決めることは難しいでしょう。
 
また、本シミュレーションではフリーランスの経費を144万円としていますが、経費は人により大きく異なるため、経費がいくらかによってシミュレーション結果は大きく変動します。
 

税金は所得により異なる

税金を大きく左右するのは所得です。会社員でもフリーランスでも、所得が同じ場合は所得税や住民税の税額に大きな差は出ません。
 
ただし、会社員は所得のコントロールが難しいのに対して、フリーランスは自分の裁量で経費を使えるため、所得を比較的コントロールしやすいです。ここが会社員とフリーランスの最大の違いといえるでしょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料
厚生労働省 公的年金シミュレーター
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
練馬区 国民健康保険料の計算方法(令和4年度)
全国健康保険協会 傷病手当金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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