「ウルトラマン」の年収はいくら?「命がけの仕事」としては高くないって本当?

配信日: 2023.01.11

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「ウルトラマン」の年収はいくら?「命がけの仕事」としては高くないって本当?
1966年にテレビ放送され、日本はもちろん海外でも高い知名度を誇る特撮テレビ番組「ウルトラマン」(初代)。2022年には映画「シン・ウルトラマン」としてリメイクされるなど、初放映から半世紀以上を経ても根強い人気があります。
 
そんな世代を超えたヒーローであるウルトラマンの年収は、舞台を現実世界に置き換えるとどのくらいになるのでしょうか。
 
この記事ではウルトラマン、すなわちウルトラマンに変身して命がけで怪獣と戦うハヤタ隊員の年収について考察します。

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齋藤たかひろ

執筆者:齋藤たかひろ(さいとう たかひろ)

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ウルトラマンに登場する組織・科特隊とは

ウルトラマンに登場する科特隊は、「科学特別捜査隊」の略称です。ウルトラマンシリーズを制作する円谷プロダクションによると、科特隊は「一般の警察組織では手に負えない怪事件や、あらゆる異変に対処するため結成された組織」とのことです。
 
科特隊は国際的な警察組織で、本部はフランスのパリにあるとされています。各国に支部が存在し、ウルトラマンに変身するハヤタ隊員は日本支部に所属しています。「フランスに本部がある国際的な警察組織」という点から推察すると、科特隊は国際刑事警察機構(インターポール)をモデルにしていると考えられます。インターポールの事務総局本部はフランスのリオンにあり、世界各地に地域事務局などが存在します。
 
ウルトラマンのようなヒーローは無給と思われがちですが、ウルトラマンに変身するハヤタ隊員は国際組織「科特隊」に所属しており、その立場は要するに公務員の一種といえるでしょう。
 

インターポール日本支部はない

科特隊のモデルをインターポールと仮定し、「インターポール日本支部」が存在するなら、科特隊日本支部の年収に相当すると考えられます。
 
しかし、残念ながらインターポール日本支部は存在しません。インターポールは1国につき1機関の国家中央事務局を定めており、日本では警察庁が指定されています。
 
ただし、国家中央事務局の任務は、自国の関係機関、他の国家中央事務局および事務総局との連絡を確保し、各国警察の国際捜査に協力することです。警察庁がインターポールの支部というわけではありません。
 

インターポール「シンガポール総局」の年収とは

科特隊日本支部の年収を類推する手がかりがあります。2015年にシンガポールに開設されたIGCI(INTERPOL Global Complex for Innovation:シンガポール総局)です。
 
IGCIは、インターポール事務総局本部の機能補完およびアジア地域の活動強化を目的に設置されていて、初代局長は日本人の中谷昇氏が務めました。また、その後も日本の警察庁から担当者が出向するなど、日本との関わりが深い機関といえます。ある意味で「現代における科特隊日本支部」と言えるのではないでしょうか。
 
ちなみにIGCIの求人情報は、インターポール事務総局ホームページの「Vacancies」ページから参照できます。同ページ内にあるIGCIの「SALARY SCALE」(給与体系、2022年版)を引用したものが、図表1です。
 
【図表1】


 
出典:インターポール事務総局 SALARY SCALE
 

ウルトラマンの仕事を年収換算すると552万円超

図表1からわかるとおり、「Grade」と「Step」によって月給は変動します。ハヤタ隊員の階級はわかりませんが、劇中では25歳と、若手の設定です。
 
階級が最も低いと仮定すれば、月給4676シンガポールドルです。4676シンガポールドルは、約46万円に相当します(2022年12月25日時点の為替レート、1シンガポールドル=98.24円で換算)。これを年収に直すと約552万円です。
 
また、科特隊の仕事は怪獣と戦うのが任務であり、危険手当などの各種手当も支給されると思われます。そのため、実際にはこの552万円を超える年収になるといえるでしょう。
 
ウルトラマンとしての仕事は無給でも、科特隊員としては安定した固定給があることがわかりました。ただし現実世界で考えると、怪獣と戦う命がけの仕事にしては安すぎるかもしれませんね。
 

出典

円谷プロダクション 科学特捜隊
警察庁 国際犯罪対策
インターポール事務総局 Vacancies
 
執筆者:齋藤たかひろ
2級ファイナンシャルプランナー

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