「年収が低くてもいいからのんびり暮らしたい」は可能? 年収と残業時間の関係を検証!

配信日: 2023.02.07

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「年収が低くてもいいからのんびり暮らしたい」は可能? 年収と残業時間の関係を検証!
高年収の給与所得者には「残業時間が長い」というイメージがありますが、本当でしょうか。もし、年収の高さが残業時間の長さと関係しているのであれば、その時間を削減して年収が減った分だけ自分の時間を増やすことも可能です。そこで本記事では、民間企業の調査結果を基に、年収と残業時間の関係を検証してみます。
FINANCIAL FIELD編集部

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みんなはどのくらい稼いでいるの?

まずは、令和3年分の給与所得者の平均給与(給料、手当、賞与の合計額)を、国税庁の「民間給与実態統計調査(令和4年9月)」から見ていきましょう。
 
・給与所得者の平均給与
令和3年の給与所得者(正社員と非正社員)1人当たり平均給与は443万円でした(対前年比2.4%増)。男女別では、男性が545万円(同2.5%増)で女性が302万円(同3.2%増)です。
 
また、正社員は508万円(同2.6%増)で非正社員は198万円(同12.1%増)となっています。男女別では、正社員(正職員)の男性が570万円(同3.6%増)で女性が389万円(同1.4%増)、正社員(正職員)以外(パート・アルバイト)の男性が267万円(同17.2%増)で女性が162万円(同5.9%増)でした。
 
・事業所規模別の平均給与
事業所規模別の給与所得者1人当たり平均給与は、従業員数10人未満の事業所が358万円(男性444万円、女性258万円)で、従業員数5000人以上の事業所が515万円(男性669万円、女性295万円)となっています。
 
・企業規模別の平均給与
企業規模別の給与所得者1人当たり平均給与は、資本金が2000万円未満の株式会社が381万円(男性459万円、女性259万円)で、資本金10億円以上の株式会社が616万円(男性731万円、女性364万円)でした。
 
・業種別の平均給与
業種別の給与所得者1人当たり平均給与は、最高が「電気・ガス・熱供給・水道業」の766万円で、「金融業・保険業」が677万円で続き、最低は「宿泊業・飲食サービス業」の260万円となっています。
 

みんなはどのくらい残業しているの?


次に民間企業が運営する「働きがい研究所」による調査結果から、給与所得者の平均残業時間を見てみましょう。なお、当調査は2007~2014年にかけて収集された、約6万8000件の回答レポートを対象データとしています。
 
・給与所得者の平均残業時間
給与所得者の1ヶ月の平均残業時間は30時間(14.5%)が最も多く、次いで40時間(13.7%)、20時間(13%)、100時間以上(12.9%)、50時間(10%)、60時間(8.7%)、10時間(7.2%)という結果でした。なお、全体の平均残業時間は47時間(1日当たり1~2時間程度)です。
 
・年代別の平均残業時間
年代別の平均残業時間は、20~30代はおおむね50時間前後で推移していますが、30代後半になると徐々に減少していきます。40代はおおむね40時間台で減少していき、53歳頃に一度増加した後は一気に減少して、54歳頃になると40時間を切っています。
 

年収が低いほど残業時間は少ないの?

「働きがい研究所」による調査では、年収と残業時間(1ヶ月当たり)の関係についてのデータも公表されています。それによると、300万円未満が40時間弱で最も少なく、平均給与(443万円)の人が入る300~500万円が46時間程度、最も残業時間が多いのは年収1500~2000万円の60時間でした。
 
また、年齢・年収別のデータを見ると、35~39歳の年収2000~3000万円の人の残業時間が、全年齢で最も多い75時間以上となっています。2つのデータの最も年収の高い人と最も低い人の残業時間には、20~35時間以上もの差があります。このような結果から、年収が低ければ低いほど残業時間も少ないと理解していいのかもしれません。
 

「年収が低くてもいいからのんびり暮らしたい」のなら残業時間を減らしてみよう

年収が最も高い人は最も低い人と比べて20~35時間以上も残業していることが、「働きがい研究所」の調査によって判明しました。もちろん、年収が低い人の中にも多くの残業をこなしている人はいるかもしれませんが、おおむね高年収の人の残業時間のほうが多い傾向にあるようです。
 
そのため、「年収が低くてもいいからのんびり暮らしたい」と考えるのであれば、残業時間を減らす、または残業時間の少ない企業に転職するというのも有効かもしれません。
 

出典

国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等
働きがい研究所 残業時間に関するレポート
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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