国会議員の年収はなぜ高い?実は安定しないってホント?
配信日: 2023.02.27
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
最近は国会議員の年収に関するニュースが話題になり、国会議員の年収が高過ぎると不満に感じている方も少なくありません。
本記事では国会議員の年収が高いと言われる理由について、政治活動の費用や収入以外の待遇と併せて解説します。
国会議員の年収について詳しく知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国会議員の年収は法律で決まっている
国会議員の年収は「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」で定められており、任期などによっても前後しますが平均4200万円です。内訳としては月の歳費が約135万円、賞与は年2回の合計額で約635万円、そして立法事務費が月65万円です。
さらに調査研究広報滞在費(旧:文書通信交通滞在費)として月額100万円を日割りで支給される公費も存在します。調査研究広報滞在費は領収書の提出が不要かつ非課税の所得として扱われるため、支給された金額以上に使えるお金といっても過言ではありません。
しかしながら、2020年5月から新型コロナウイルスの影響によって歳費は2割削減されており、国会議員の年収は下がっています。それでも一般労働者の平均年収は443万円であるため、世間的に見ても国会議員の年収は高いといえるでしょう。
国会議員ならではの特権も
国会議員は高額な収入以外にもさまざまな特権や待遇が存在します。国会議員の特権は以下の3つです。
●不逮捕特権
●免責特権
●歳費特権
国会議員は国会会期中は原則逮捕されず、会期前に逮捕された場合は議員側の要求によって金銭なしで釈放される不逮捕特権があります。さらに議員内での発言などに対して責任を負わない免責特権や、国から歳費を受け取れる歳費特権もあります。
いずれの特権も国会議員が国民の代表として十分に政治活動を行うためのものです。さらに国会議員にはJR全線無料乗車券や国内航空券の支給、議員宿舎といった待遇もあります。
国会議員はお金がかかる?政治にかかる費用とは
国会議員は年収が高いうえに特権や待遇も手厚いため、批判の対象になることも少なくありません。しかし議員本人が政治活動にかかる費用を負担する場面も多く、歳費として支給されたものがすべて政治家個人の収入となるわけではありません。
政治にかかる主な費用は以下の通りです。
●人件費
●選挙の出馬費用
これらの費用について順番に解説します。
最もお金がかかるのは人件費
国会議員が政治活動を行う際、国が公務員として雇える公設秘書は国会議員1人あたり3人までです。それ以上の人員が必要な場合は議員個人で私設秘書を雇いますが、その人件費は国会議員自身の収入で負担する必要があります。
個人差はあるものの、議員によっては10名以上の私設秘書を雇用することもあり、アルバイトなどの報酬も負担すると年収の大部分は人件費で消えてしまうでしょう。
国会議員は高年収であるものの、負担するコストも大きい職業です。
選挙に出馬するとさらにお金が必要
選挙で立候補する際は、供託金を法務局へ預ける必要があります。選挙における供託金は当選が目的ではない者が無責任に立候補するのを防ぐために必要な制度です。
供託金の金額は立候補する選挙によっても変わりますが、例えば衆院選の小選挙区では300万円、比例代表と重複して立候補する場合は600万円です。
法で定められた得票数に未到達だったり途中で出馬を取りやめたりした場合、供託金は没収されてしまいます。
また選挙事務所を構えるための賃料やはがき、ポスター、チラシなどの印刷費、選挙カーの広告費などはすべて議員の自己負担です。選挙活動で遠方に出向いた場合は、秘書やアルバイトなどの人員の交通費や宿泊費も支払う必要があります。
国会議員は不安定な職業
国会議員は高年収で待遇も手厚いですが、不安定な職業であるのも事実です。
国会議員は衆院議員であれば4年、参院議員であれば6年と任期が決まっています。任期が満了してしまえば職を失いますし、次の選挙に出馬しても必ず当選できるとは限りません。
連続で当選できなければ収入は途絶えてしまうため、安定しない仕事であるといえます。
国会議員の収入保証は正当な政治に必要
「国会議員の年収はなぜ高いの?」と疑問に思う方も多いですが、国会議員として活動するためには多額の費用がかかるというのが大きな理由のひとつです。
経済的理由で公務に支障をきたすことがないためにも、国会議員の収入を保証する必要があるといえるでしょう。
出典
参議院「旅費及び手当等に関する法律の一部を改正」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部