更新日: 2023.06.17 年収
年金の平均受給額は「月14万3965円」! 年収300万円の年金額はいくら?
本記事では、年金の平均受給金額と、年収300万円の場合に受給できる年金額、年金受給額を増やす方法について解説します。
執筆者:齋藤彩(さいとう あや)
CFP
年金の平均受給額は月14万3965円
日本の公的年金には主に国民年金と厚生年金の2つがあり、国民年金からは老齢基礎年金、厚生年金からは老齢厚生年金が支給されます。
厚生労働省の厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和3年度)によると、国民年金・厚生年金を合わせた年金の平均受給額は1ヶ月あたり14万3965円です。
年収300万円の年金受給額は月11万8868円
年収300万円(月額25万円、埼玉県在住)の場合、年金をいくら受給できるのかをみていきましょう。
国民年金
保険料を20歳から60歳まで40年間納めると、老齢基礎年金を年間79万5000円、1ヶ月あたり6万6250円受給できます(2023年6月現在)。
※2023年度の68歳以上の老齢基礎年金(満額)は、1ヶ月あたり6万6050円です。
厚生年金
厚生年金は、収入および厚生年金加入期間によって、将来受給できる老齢厚生年金の金額が異なります。
2003年4月以降に厚生年金に40年間加入したと仮定します。年収300万円(月額25万円)なので、平均標準報酬額は24万円となり、受給できる老齢厚生年金は63万1411円、1ヶ月あたり5万2618円です。
※小数点以下四捨五入
国民年金と厚生年金の合計は年間142万6411円、1ヶ月あたり11万8868円となります。
厚生年金の受給額を上げる方法
年金の平均受給額は月14万3965円、年収300万円の年金受給額は月11万8868円でした(前述)。
この金額がじゅうぶんかどうかは人それぞれですが、少ないと思う場合、年金額を増やす方法があります。ここでは厚生年金の受給額を増やす方法を3つ紹介します。
繰下げ受給をする
老齢年金は原則65歳から受給開始となりますが、75歳までの任意の時期に受給開始を遅らせることができます。これを「繰下げ受給」といいます。1ヶ月繰り下げると受給額を0.7%増やすことができ、最大で84%の増額となります。増額された年金額は一生涯変わることはありません。
繰下げ受給は年金額を増やすことができるメリットがありますが、繰り下げている間の生活費を確保できるか、しっかり確認するようにしましょう。
収入を上げる
収入を上げると平均標準報酬額を高くすることができ、老齢厚生年金の受給額を増やすことができます。スキルアップして昇給する、転職して収入アップを目指すことも1つの方法です。
60歳以降も働く
厚生年金は原則70歳まで加入し厚生年金保険料を納めることができます。そのため、60歳以降も厚生年金に加入し働くことで、受給できる厚生年金を増やすことができます。
まとめ
本記事では、年金の平均受給金額と、年収300万円の場合に受給できる年金額、厚生年金の受給額を増やす方法について解説しました。
その人の状況により受給できる年金額は異なりますが、年金の平均受給金額は1つの目安となります。平均金額が多いと思う人もいれば少ないと思う人もいるでしょう。
もし、この金額では老後の生活が厳しいと思う場合は、生活費や貯金の仕方の見直し、少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)の活用も検討してはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
全国健康保険協会 令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(埼玉県)
執筆者:齋藤彩
AFP