更新日: 2023.07.13 年収
地方から上京を考えています。「年収340万円」で1人暮らしは難しいですか?
今回は、年収340万円の人が東京都内で1人暮らしが可能かについて、消費支出額や家賃などのデータを踏まえた上で考えます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年収340万円の手取り額
年収340万円とはいっても、その金額のすべてを生活費に使えるわけではありません。そこから税金や保険料などの非消費支出が引かれ、残りが手取りとして手元に入ります。年収340万円の人であれば、手取り額は250~270万円ほどとなるでしょう。単純に12ヶ月で割ると、1ヶ月あたりの手取り額は、20万8000~22万5000円ほどとなります。
地方よりも多くなる都市部での消費支出額
続いて、消費支出額を総務省統計局の「家計調査」を基に見ます。2022年の同調査によると、単身世帯1ヶ月あたりの平均消費支出額は、約16万1000円となっています。これは、全国平均です。「大都市」の分類では約17万円ですが、「関東」の分類では約17万8000円という結果でした。東京都内で1人暮らしをするとなると、この約17万8000円が、より実態に近い数字となるでしょう。
・消費の多くを占めるのは家賃
上記の金額には「住居」にかかる費用が少ない点に注意する必要があります。家計調査によると、1人暮らしの1ヶ月あたりの住居費用額は全国平均で約2万3000円、「大都市」で約2万5000円、「関東」で約2万9000円です。地方から出てきた人の多くは、東京都内に家を借りることになるでしょう。
特に23区内には、2万円台で借りられる家はほとんどないため、上記よりも毎月の消費支出額は多くなるとみられます。
総務省統計局が5年ごとに実施している「住宅・土地統計調査」の2018年分の結果を見ると、東京都の1ヶ月あたりの家賃・間代は平均で約8万1000円です。
東建コーポレーション株式会社の運営する「ホームメイト」では、東京都内の1R~1DKで、もっとも家賃相場が高いのは千代田区で約11万8000円となっています。9万円台のエリアには江東区があり、8万円台のエリアには台東区、7万円台のエリアには新宿区や豊島区、荒川区などがあります。
また、大和ハウス工業株式会社運営の「賃貸住宅D-room」によれば、東京都の1R~1DKの家賃相場は7万8000円です。しかし、23区のうち半数以上が10万円を超えています。
家賃相場はいずれも2023年7月現在のものですが、1人暮らし用の部屋でも、家賃は最低7~8万円はかかるとみておく必要があるでしょう。しかし、家賃を除いた1ヶ月あたりの消費支出額が14~15万円とした場合、家賃に費やせる金額は6~7万円となります。年収340万円であれば1人暮らしは可能ですが、ぜいたくをしたり大きな家に住んだりするのは難しそうです。
生活費や家賃の節約方法は?
東京都内を黒字で生活するには、生活費や家賃の節約が欠かせないでしょう。ここでは、生活費や家賃を抑える方法について紹介します。
・福利厚生を積極的に活用する
勤める企業に家賃補助の福利厚生がある場合には、積極的に利用しましょう。また、社宅がある場合も、そこに住むことで家賃が抑えられる可能性があります。
・シェアハウスなどの利用も選択肢の1つ
家賃補助や社宅などがない企業で働く場合には、シェアハウスの利用も選択肢の1つです。上手に利用すれば、通常の賃貸物件よりも賃料を安く抑えられるでしょう。
・食費は自炊で抑える
消費支出に占める食費の割合も決して小さくはありません。外食を控え、自炊を心がけることでも節約が可能です。また、つい買ってしまいがちなお菓子やお酒なども控えながら、食費の節約に努めましょう。
ぜいたくをしなければ年収340万円でも東京23区内での1人暮らしは可能
年収340万円の人であれば、手取り額は毎月20~22万円ほどとなるでしょう。関東に住む1人暮らしの平均消費支出額は1ヶ月あたり、約17万8000円です。東京23区の家賃相場は8万円を超えるため、少しでもぜいたくをすれば赤字となりかねません。
企業の福利厚生を上手に活用したりシェアハウスに住んだり、あるいは食費を抑えたり工夫をすることで、都内での生活もじゅうぶん可能となります。丁寧に支出を計算し、計画的に上京を実現させましょう。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 1世帯当たり1か月間の収入と支出 2022年
総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー