更新日: 2023.07.26 年収

日本の平均年収の推移は「横ばい」だった!? 2000年初頭と2023年でいくら差がつく?

執筆者 : 柘植輝

日本の平均年収の推移は「横ばい」だった!? 2000年初頭と2023年でいくら差がつく?
日本の平均賃金は長年変わっていないといわれることもあれば、下がっている・上がっているといわれることもあり、「実際どうなの?」と思っている方も少なくないようです。
 
そこで、2000年と2023年とで平均年収にどれくらい差が付いているのか厚生労働省の統計を基に検証してみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

実質賃金で比較すると?

厚生労働省の「令和2年版厚生労働白書」によれば、2000年の平均年収を100とすると、2001年の物価など加味した平均賃金は99%となっています。さらに、2018年に93%となっているようです。
 
【図表】

平均年収 対2000年比
2000年 467.5
2001年 464.7 99%
2002年 463.6 99%
2003年 461.0 99%
2004年 455.7 97%
2005年 455.5 97%
2006年 452.1 97%
2007年 454.0 97%
2008年 439.3 94%
2009年 421.1 90%
2010年 431.0 92%
2011年 428.7 92%
2012年 427.7 91%
2013年 431.7 92%
2014年 419.2 90%
2015年 420.4 90%
2016年 422.0 90%
2017年 430.0 92%
2018年 433.3 93%

※筆者作成
 
詳細に見ていくと2004年から下がり始めており、2009年頃からはおおむね90%から93%で推移しています。2018年時点での数値は93%であり、全期間の平均値を算出すると91%の水準となることから、2023年もこれに近しい数値が出るのではないかと想定されます。
 
しかし、2022年、2023年とさまざまなものの商品やサービスの値段が上昇していることを考えると、90%を下回り、80%台後半となる可能性もあるでしょう。
 
仮に、2023年の給与水準が2000年の90%だと仮定すると、2023年の平均給与は420万7500円と推測できます。
 

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賃金構造基本統計調査ではどれくらい差が付く?

続いて、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」にて比較していきましょう。平成12年の賃金構造基本統計調査においては、2000年時点での平均年収は、497万7700円となっています。それに対して、令和4年の賃金構造基本統計調査では2022年時点での平均年収が496万5700円となっています。
 
あくまでも、統計上の月額賃金や賞与などから計算した平均年収になりますが、2000年から給与自体はほぼ変わっていないようです。差はわずか1万2000円。ほぼ横ばいだと考えてよさそうです。
 
2023年の数値は明確には出ていませんが、景気を大きく左右する出来事が起こっていないことを踏まえると、現状ではおそらく平均年収自体はほぼ横ばいではないかと推測されます。
 

平均年収はなぜ上がらない? 自分の年収を今後上げるにはどうするべき?

日本の平均年収が20年ほど上がっていない、実質的には下がっている理由にはいくつかの要因が考えられます。一部を挙げてみると、次のようなものがあります。

・低賃金で賃金上昇もほとんど見込めない非正規雇用で生計を立てている方の存在
・終身雇用や年功序列の縮小
・生産性の低さ
・企業の内部留保確保を重視する経営方針

「失われた30年」などと冷やかされてきたように、平均年収が上がらないことにもさまざまな理由が絡み合っています。正直、私たちがどうこうして今日明日に社会そのものを変えることは難しいのが現実でしょう。
 
となると、自分の年収を上げ、豊かに生活していくには、流されて働くだけではなく自ら積極的に動き、努力していくことが必要になってきます。例えば、社内の評価基準に沿ってスキルを身につけ、成果を出して昇進・昇給して給与を上げるなどが考えられます。
 
他にも、転職や独立をして環境を変えてみるというのも有効です。平均年収自体は上がっていないものの、企業単位でみれば成長して平均年収が上がっている企業も存在しています。そういった企業へ身を置くことで、より収入を上げやすくすることができます。
 
また、独立や起業を行う、副業をしてみるなども有効でしょう。
 

まとめ

日本の平均年収は、金額自体はほぼ横ばいの状態が続いています。しかし、実質年収で比べると、高くとも90%程度、場合によっては90%を下回っていることが予測されます。また、直近約20年の年収の推移を見ていると、今後すぐに平均年収が上がるとは考えにくい状況です。
 
もし、年収を上げたい、年収が上がらないと悩んでいるのであれば、受け身になるのではなく、年収を上げるための努力が必要だといえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 図表1-8-2 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)
総務省 e-Stat 令和4年賃金構造基本統計調査
総務省 e-Stat 平成12年賃金構造基本統計調査
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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