更新日: 2023.07.29 年収

ボーナス額は業種別で「70万円」の違い!? もっとも支給額が多い業種とは?

ボーナス額は業種別で「70万円」の違い!? もっとも支給額が多い業種とは?
この時期、多くの会社員がボーナスの支給を楽しみにしているのではないでしょうか。「ボーナスが出るだけまし」、「いただけただけありがたい」など、さまざまな意見があるかと思います。また、「他の人はどれくらいもらっているのか?」のように、実際のところも気になりますよね。
 
厚生労働省が毎年発表しているボーナス平均支給額では、業種ごとの平均も記載されています。この統計を見ると、業種ごとにボーナスの支給額にはかなりの違いがあるようです。以下に解説します。
御手洗康之

執筆者:御手洗康之(みたらい やすゆき)

CFP、行政書士

2022年の夏ボーナスの実績

厚生労働省が発表している毎月勤労統計調査のボーナス平均支給額によると、業種ごとにボーナスの支給額はかなり差があります。特に、2022年の夏ボーナス実績では、電気・ガス業と飲食サービス業などの平均賞与の額に約70万円の違いが見られました。
 
図表1は、全17業種のうち、平均賞与額が大きい3業種と平均賞与額が小さい3業種を示しています。興味深いのは、電気・ガス業が前年比マイナス10%にもかかわらず、平均賞与額が一番高くなっていることです。一方で、飲食サービス業や生活関連サービス業は前年比から大きなプラス成長を遂げていますが、金額としてはかなり低い水準です。
 
この結果から、経済状況がコロナ禍から回復しつつあることや、エネルギー価格の高騰の状況などが読み取れます。
 
図表1
 

 
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等を基に筆者作成
 

夏ボーナスと冬ボーナスの実績

図表2は2022年の夏ボーナスと冬ボーナスの平均支給額、および支給平均の前年比を示しています。2022年は夏ボーナスが前年比2.4%増、冬ボーナスは前年比3.2%増となっています。
 
もちろん業種や企業によって状況は異なりますが、前年比が徐々に改善傾向にあります。このことからも、日本全体としてはコロナ禍からの経済回復にともない、企業の業績が持ち直し、ボーナスの増加につながっていることがうかがえます。
 
図表2
 

 
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等を基に筆者作成
 
帝国データバンクが公表した「2023年夏季賞与の動向アンケート」によれば、約4割の企業が前年よりもボーナス支給額を増加させる見込みとのことです。
 
アンケートによれば、今年の夏のボーナス支給額は前年比平均で2.4%増加すると予想されています。特に大企業では、支給額の増加率がより高い傾向にあり、平均支給の増減率は3.5%の増加となるようです。大企業にお勤めの人々の中には、昨年よりもボーナス額が多かった人もいるのではないでしょうか。
 

夏ボーナスの使い方にもひと工夫を

今年も多くの企業でボーナス支給が予定されており、日ごろの努力のご褒美として、ボーナスを家族でのレジャー費や趣味などに使う人も多いと思います。
 
しかし、ボーナスを増やす理由として、昨今の物価高騰による経済的負担の軽減をあげる企業もあります。そのため、無計画にボーナスを使ってしまうことは避けたいところです。
 
一定額は資産運用に利用したり、ローンの繰上げ返済にあてたりするなど、事前にボーナスの使い道を計画することで、後悔することなく上手に活用できるはずです。ボーナスは一時的な収入ですが、賢く活用することで将来の経済的な安定や目標達成につなげられます。計画的な使い方を心がけるようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等

帝国データバンク 2023年夏季賞与の動向アンケート

 
執筆者:御手洗康之
AFP、FP2級、簿記2級

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