更新日: 2023.08.22 年収

会社員の半数は「年収400万円」以下だった!? 私の給料って少ない? 平均給与の割合を確認

会社員の半数は「年収400万円」以下だった!? 私の給料って少ない? 平均給与の割合を確認
ニュースや新聞で、会社員の年収やボーナスの報道があると、「こんなにたくさんもらっている人もいるのか……」と、周りの人の年収が気になる人もいるでしょう。
 
国税庁の調査によれば、令和3年(2021年)の1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は約443万円(前年比2.4%増)でした。本記事では、日本の会社員がどれくらいのお金をもらっているのかについて、複数の観点で紹介します。
 
ただし、大切なのは周りの人と比べて自身の給与が多いかどうかということよりも、収入と支出のバランスよく生活していくことなのではないでしょうか。
御手洗康之

執筆者:御手洗康之(みたらい やすゆき)

CFP、行政書士

平均給与はおよそ443万円

国税庁の「民間給与実態統計調査結果」は、5000万人以上の給与所得者が対象となっています。事業所の規模も1人の事業所から5000人を超える大企業まで広く対象にしているので、日本の会社員の実態を比較的正確に把握できると考えられます。ただし、中央値ではない点に注意が必要です。
 
令和3年の平均給与は約443万円でした。男性が545万円、女性が302万円となっているので、男性のほうが平均給与は高くなっています。平均給与に関しては、年によって前年よりも下落することもありますが、おおむね上昇を続けています。
 
図表1のとおり、調査結果の10年前である2011年(平成23年)の平均が約409万円でしたので、年平均で約0.8%ずつ上昇している計算になります。
 
【図表1】


国税庁 民間給与実態統計調査結果より筆者作成
 
図表2のとおり、平均給与額として最も割合が多いのは、男性の場合は400万円超~500万円で、全体としては300万円超~400万円の範囲がもっとも割合が多いです。年収が1000万円を超えるような人は、全体の中で5%程度の割合となっています。
 
【図表2】

国税庁 民間給与実態統計調査結果より筆者作成
 

平均給与は事業規模が大きいほうが高い傾向

平均給与の額は、大企業のほうが給与は高い傾向にあります。図表3のとおり、特に賞与に関しては大きな開きがあり、大企業になるほど平均給与に対する賞与の割合が増えています。
 
勤続年数は、小規模事業所や大規模な事業所よりも、中間規模(10~数百人程度)の事業所のほうが短くなっています。中規模事業所の平均勤続年数が短い理由として、現代は働き方が多様化しているため、スタートアップや転職してキャリアアップを目指すビジネスパーソンなどが勤める企業が中規模に多いということが考えられそうです。
 
【図表3】


国税庁 民間給与実態統計調査結果より筆者作成
 
平均勤続年数に関して、10人未満の事業所では女性の平均継続年数がかなり高く(平均14.9年)、家族経営の事業所も多そうだという予想ができます。一般的な企業が多いと考えられる10名以上の事業所では女性の平均継続年数に大きな差はありません(9~10年程度)。
 

給与が高いほうがよいとは限らない

もちろん給与は高いほうがうれしいですが、それだけで企業の価値は分かりません。福利厚生やワークライフバランスなど、人によって重要視することはさまざまです。また、都心部では、給与が高くても物価や家賃も高く支出が多くなってしまう可能性もあります。
 
つまり、他人と比べて自分の給料が高いか低いかを気にしすぎないほうがよいということです。大切なのは、収入と支出のバランスをうまく考え、自身に合ったライフスタイルを探していくことではないでしょうか。
 

出典

国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
 
執筆者:御手洗康之
AFP、FP2級、簿記2級

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