更新日: 2023.08.29 年収

40代男性の平均年収は「607万円」!? 世代ごとの平均年収はどのくらい?

40代男性の平均年収は「607万円」!? 世代ごとの平均年収はどのくらい?
「一生懸命働いているのに生活は厳しい……」このように感じる人も多いかもしれません。誰もが普通に生活しているように見える一方で、実際にはどの程度の収入を得て暮らしているのか気になりますよね。
 
国税庁が公表している令和3年分民間給与実態統計調査によると、35~39歳男性の平均給与は533万円、40~44歳だと584万円、45~49歳では630万円となっています。
 
ただし、この数字はあくまで年齢ごとの平均値であり、年齢だけでなく職場の規模や業種などによっても平均給与は異なります。また、現在の働き方は多様な変化を見せており、報道された数字と比較して自分の給与が高いか低いかだけで一喜一憂する必要はないので安心してください。
 
本記事では、この調査結果を基に現役世代の平均収入について解説します。
御手洗康之

執筆者:御手洗康之(みたらい やすゆき)

CFP、行政書士

平均給与の全体平均は443万円

民間給与実態統計調査は、従業員が1人の事業所から5000人以上の事業所までの民間企業を広く調査しています。また、ここで言う「給与」とは、賞与も含めた金額を意味しています(給与所得控除前の収入金額で、通勤手当等の非課税分は含みません)。
 
2021年分の調査では、1人当たりの平均給与は443万円でした。男女別で見ると、男性は545万円、女性は302万円となっています。
 
また、30代から60代までの年齢階層別で見る平均給与は、図表1のとおりです。男性は年齢が上がるにつれ平均給与が上がりますが、女性ではほとんど伸びは見られません。ただし、男性の場合でも60歳以降は大きく給与が減少する可能性が高いことは認識しておくべきです。
 
図表1 (単位:万円)

図表1

国税庁長官官房企画課 令和3年分 民間給与実態統計調査を基に筆者作成
 
このような数字を見ると「もう40歳になるけど、年収500万円ももらっていない」と不安に思う人もいるかもしれません。では次に、事業所規模別の平均給与を見ていきましょう。図表2のとおり、事業所の規模が大きいほうが平均給与も大きくなる傾向があります。事業所の規模が10人未満の場合の平均給与は358万円でした。
 
図表2 (単位:万円)
図表2

国税庁長官官房企画課 令和3年分 民間給与実態統計調査を基に筆者作成
 
次に業種別の平均給与は、図表3のとおりです。上の比較よりもばらつきが大きくなっており、「電気・ガス・熱供給・水道業」の766万円と「宿泊業・飲食サービス業」の260万円を比較するとおよそ3倍の差があります。これはコロナ禍による影響もあると思いますが、それを差し引いてもかなりの違いとなっています。また、平均給与が多いほうが賞与も多くなる傾向にあります。
 
図表3 (単位:万円)
図表3

※平均給与が多い3業種と少ない3業種を抜粋
国税庁長官官房企画課 令和3年分 民間給与実態統計調査を基に筆者作成
 

男性の半数以上の平均給与が500万円以下

前段で男性の平均給与は545万円、全体では443万円と述べましたが、実際のボリュームゾーンは300~500万円であり、男性のおよそ3人に1人はこの範囲に該当します。図表4は平均給与別の構成比を示したものです。全体で見ると半数以上が平均給与500万円以下となっています。
 
このように、実際の平均給与を見てみると、周りの人がみんな自分よりもお金をもらっているというわけではなさそうだということが分かります。
 
図表4 

図表4

国税庁長官官房企画課 令和3年分 民間給与実態統計調査を基に筆者作成
 

給与の額よりも自分に合ったライフスタイルを

本記事では、平均給与に焦点を当てましたが、実際にはそれだけでその人の家計や将来を正確に予測することはできません。
 
大事なのは収入だけでなく、支出とのバランスを考慮することです。給与の額を周りの人と比較するよりも、自分の収入にあったライフスタイルを築くことが、将来の安定と幸福感を高めることにつながることを覚えておきましょう。
 

出典

国税庁長官官房企画課 令和3年分 民間給与実態統計調査
 
執筆者:御手洗康之
AFP、FP2級、簿記2級

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