更新日: 2023.08.30 年収
9月から「手取り」が変わる!?「4~6月」に収入が多かった人が明細をチェックすべき理由を解説!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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社会保険料に関係するのは4~6月?
社会保険とは厚生年金保険と健康保険をあわせた名称で、40歳以上になると介護保険料も上乗せされます。社会保険に加入している間は自分で解約できず、給与から毎月天引きされます(保険料は、企業と従業員とで半分ずつ支払います)。
社会保険料がいくらになるのかの根拠となるのは、勤務先企業がそれぞれ加入している健康保険組合が定めている「標準報酬月額」の一覧表をもとに決められます。
毎年4~6月の3ヶ月に実際に支払われた給与金額の平均額から「標準報酬月額」が決まり、9月から来年8月までの1年間の社会保険料が決められ毎月一定金額が天引きされます。この制度は「定時決定」と呼ばれています。
健康保険料率・厚生年金料率・介護保険料率は、健康保険組合と都道府県によってそれぞれ異なりますので、自分が加入している健康保険組合が公表している標準報酬月額一覧を確認してください。
<試算例>
東京都で勤務しているAさん(30代)の給与金額から標準報酬月額と社会保険料の天引き見込み額を試算します。
(4月給与32万円+5月給与36万円+6月給与34万円)÷3=標準報酬月額34万円
報酬月額34万円×健康保険料率(10%)÷2=健康保険料見込み額1万7000円
報酬月額34万円×厚生年金料率(18.3%)÷2=厚生年金保険料見込み額3万1110円
(Aさんが40歳以上の場合、報酬月額34万円×介護保険料率(11.82%)÷2=健康保険料見込み額2万0094円となります)
給与が「月末締め翌月支払い制」の場合は?
例えば、月末締めで翌月15日に給与が支払われる制度を導入している企業で働いている場合、3月に働いた分が4月15日に支払われます。このときは3~5月に働いた分の給与金額が社会保険料の計算に利用されます。
欠勤などで4~6月の報酬支払基礎日数(働いた日数)に17日未満の月がある場合には、その月を除いて保険料が決定されます。
例外として、6月1日から7月1日までの間に社会保険に加入して被保険者となった人と、7月から9月までのいずれかの月に随時改定または、育児休業などを終了したときの保険料改定が行われる人は定時決定は行われません。
パート勤務などで出勤日数が不規則な場合は?
パート勤務などで働いていて、月ごとの勤務日数が不規則だった場合は、報酬支払基礎日数(働いた日数)と月額報酬の平均額をもとに社会保険料が決められます(図表1)。
図表1
支払基礎日数 | 標準報酬月額の決定方法 |
---|---|
3ヶ月とも17日以上ある場合 | 3ヶ月の報酬月額の平均額をもとに決定 |
1ヶ月でも17日以上ある場合 | 17日以上の月の報酬月額の平均額をもとに決定 |
3ヶ月とも15日以上17日未満の場合 | 3ヶ月の報酬月額の平均額をもとに決定 |
1ヶ月又は2ヶ月は15日以上 17日未満の場合 (ただし、1ヶ月でも17日以上 ある場合は除く) |
15日以上17日未満の月の報酬月額の平均額を もとに決定 |
3ヶ月とも15日未満の場合 | 従前の標準報酬月額で決定 |
全国健康保険協会 短時間就労者に係る平成18年度以降の定時決定の算定方法を基に作成
まとめ
4~6月の給与金額をもとにして標準報酬月額と、9月から来年8月までに支払う社会保険料が決まります。標準報酬月額は老後の年金額や健康保険組合からの傷病手当金・出産手当金などの計算にも使われます。給与明細を確認して、自分はどのくらい社会保険料を3ヶ月の報酬月額の平均額をもとに決定納めることになるのか知っておくとよいでしょう。
※ 2023/8/30 記事を一部、修正いたしました。
出典
全国健康保険協会 標準報酬月額の決め方
全国健康保険協会 全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)
全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(東京都)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー