更新日: 2023.10.21 年収

年金「月20万円」は高望み? 老後受け取れる人は15%!? 現役時代に必要な年収を解説

年金「月20万円」は高望み? 老後受け取れる人は15%!? 現役時代に必要な年収を解説
1人暮らしで生活費が毎月大体20万円かかっている人は、将来の年金も毎月20万円もらえれば生活水準を下げずに済みます。老後に備えたいなら、いくら稼げば生活水準を維持できるのか、貯蓄ができる現役時代に把握しておきたいところです。
 
本記事では、もしも将来年金を毎月20万円もらうなら、現役時代の年収はいくら必要なのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

会社勤めの人は老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できる

公的年金の老齢給付には、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つがあります。老齢基礎年金は、国民年金に加入して保険料を納めると、加入期間に応じて受給できる年金を指します。
 
一方で、老齢厚生年金は、厚生年金に加入していた人が加入期間に応じて受給できる年金のことです。老齢基礎年金と老齢厚生年金はあわせて受給できるため、受給条件を満たす厚生年金の加入期間がある人は両方を受け取れます。
 
老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上あると原則65歳から受給できます。67歳以下の場合は、令和5年度4月分からの年金額が満額で月額6万6250円です。毎月20万円の年金を受け取るためには、老齢基礎年金を差し引いて、老齢厚生年金を13万3750円受け取る必要があります。年額160万5000円の老齢厚生年金を受給できると、月20万円の年金を受け取ることが可能です。
 
つまり、厚生年金を年額160万5000円受け取れるだけ、現役時代に稼がなくてはなりません。現役時代に必要な月額報酬額は、「老齢厚生年金の年間受給額÷(5.481÷1000×加入月数)」で算出できます。仮に40年間、480ヶ月加入したとすると、月額報酬額は61万62円です。年収は「61万62円円×12ヶ月」で算出でき、732万744円が必要となります。
 

年金は満額でもらうには40年間の納付が必要

上記では月額報酬額の計算で加入月数を480ヶ月としましたが、実は40年間は老齢基礎年金を満額で受給する場合の加入月数です。厚生年金なら長く働くことで原則70歳まで加入できますが、国民年金は原則60歳までの加入となっています。
 
保険料の免除・納付猶予や学生納付特例の承認を受けた期間は、10年以内なら追納が可能ですから、加入月数が足りず満額受給できない場合は 、将来受け取る年金の額を増やせるので、余裕があるうちに追納すると良いでしょう。
 
国民年金第1号被保険者や任意加入被保険者は、国民年金保険料に上乗せできる付加保険料の納付も検討したいところです。付加保険料を現役時代に毎月400円払うと、年金の受給額が「200円×付加保険料納付月数」増えます。
 
また、将来的な年金受給額を増やすなら繰下げ受給をするのも1つの手で、65歳からももらえる年金を66歳以後75歳まで繰り下げられます。1ヶ月受け取りを伸ばすごとに年金額が0.7%増加するので、長く働く予定の人は繰下げ受給も候補に入れてみましょう。
 

年金を月20万円もらうには現役時代に年収732万744円が必要

将来的に年金を月20万円もらうには、現役時代の年収は732万744円に達している必要があります。
 
国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると、年収700万円超は全体の15%ほどですから、40年間の平均年収が732万744円ということはかなりの高収入となり、月20万円の年金をもらうのはなかなか難しいといえるでしょう。
 
今後年金の制度が変更になる可能性も考えると、貯蓄に努めたり、iDeCoやNISAなどで資産を運用したりして、老後資金を備えることが大切でしょう。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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