更新日: 2023.10.29 年収

結婚を考えていますが2人とも収入面で不安があります。月々の生活費はどのくらい必要なのでしょうか?

結婚を考えていますが2人とも収入面で不安があります。月々の生活費はどのくらい必要なのでしょうか?
パートナーとの結婚を考えたときに「結婚生活を支えられるだけの世帯収入があるかどうか」を不安に感じる人は多いでしょう。一人の生活が二人になり、将来的には子どもも増えるかもいれないことを考えると、必要な収入をなかなかイメージしづらいのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、統計データを軸に夫婦二人世帯・子どもがいる世帯の平均的な生活費や、結婚生活で必要な生活費や収入を考えるときのポイントを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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月々の生活費は家族構成で異なる

統計データを一つの目安として、夫婦共働き世帯の生活費を考えてみましょう。総務省「2022年 家計調査」によると、共働き・夫婦のみ世帯の生活費の平均は図表1のとおりです。
 
【図表1】

支出項目 平均金額
食料 7万円
住居 2万7000円
光熱・水道 2万1000円
家具・家事用品 1万2000円
被服・履物 1万円
保健医療 1万3000円
交通・通信 5万4000円
教育
教養娯楽 2万7000円
その他 8万円
生活費合計 31万4000円

※金額は千円単位で四捨五入
総務省「2022年 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2022年 表番号3-11 妻の就業状態,世帯類型別」より筆者作成
 
生活費全体では、約31万円の支出となっています。家庭によって求める生活水準や項目ごとの支出のバランスは異なるため、データを自身の家計と比較して数字を足し引きしてみると、実際に必要な生活費をイメージしやすいでしょう。
 
また、同調査によると、共働き・夫婦と未婚の子ども一人世帯の生活費は約34万円、おおよその内訳は図表2のようになっています。
 
【図表2】

支出項目 平均金額
食料 7万9000円
住居 2万円
光熱・水道 2万4000円
家具・家事用品 1万3000円
被服・履物 1万2000円
保健医療 1万4000円
交通・通信 5万8000円
教育 1万9000円
教養娯楽 3万円
その他 7万1000円
生活費合計 34万円

※金額は千円単位で四捨五入
総務省「2022年 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2022年 表番号3-11 妻の就業状態,世帯類型別」より筆者作成
 
子どものいる家庭では、食費や教育費が大きく増加し、必要な生活費全体も増えることがうかがえます。このように、必要な生活費は家族構成の変化にともなって変化するため、将来のライフプランや昇給の見込みも含めて、結婚後の生活費を長期的な目線でもシミュレーションすることが大切です。
 

必要な生活費には地域差もある

必要な生活費を考えるときは、物価などの地域差も考慮する必要があります。総務省「2022年 家計調査」によると、勤労者世帯の地域別の平均生活費は図表3のとおりです。
 
【図表3】

地域 消費支出(合計)
北海道 31万8000円
東北 30万7000円
関東 33万5000円
北陸 33万6000円
東海 31万8000円
近畿 32万6000円
中国 30万8000円
四国 28万6000円
九州 29万2000円
沖縄 24万9000円

※金額は千円単位で四捨五入
総務省「2022年 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2022年 表番号1-1 都市階級・地方・都道府県庁所在市別」より筆者作成
 
各地域を比較すると、最も金額が大きい北陸と小さい沖縄では約8万7000円もの差があります。家計をシミュレーションする際には、結婚後に生活するエリアの物価や家賃などの傾向も考慮すると、より現実的な数字をはじき出しやすくなるでしょう。
 

年代による生活費の変化も想定しておこう

年代やライフステージによる、生活費の変化にも注意が必要です。
 
総務省「2022年 家計調査」の結果によると、勤労者世帯の世帯主の年代別の生活費は、25~34歳が最も低く約26万円、最も高い45~54歳では約35万円となっています。内訳を見ると、後者は教育費が全年代で最も高く、子どもの大学進学費用などが生活費に影響していると推測できます。
 
また、医療費も年齢によって大きく変化する可能性が高い費用です。厚生労働省「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」によると、年齢階級別の人口一人あたり国民医療費は65歳未満が18万3500円なのに対して、65歳以上では73万3700円に大きくはね上がります。
 
結婚生活は結婚したそのときだけのことではないため、将来の教育費や医療・介護費などに備えて貯蓄ができるかどうかも、収入面の問題を考える際の大切なポイントです。
 

必要な費用は家庭それぞれ。実際にかかる生活費をシミュレーションしてみよう

結婚後の生活費がいくらかかるかは、家庭ごとに実態が異なります。統計や一般論からイメージしているだけでは、実際に生活をスタートしてから「こんなはずではなかった」と後悔する結果になりかねません。データはあくまでも参考資料の一つと考えましょう。
 
二人で必要なものと必要ではないもの、お金をかけたいポイント、ライフプランやキャリアプランなどを話し合いながら費用項目と金額を書き出して、生活費を具体的に試算してみるのがおすすめです。
 

出典

総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2022年
厚生労働省 令和2(2020)年度 国民医療費の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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