更新日: 2023.11.03 年収
新入社員でも夏のボーナスはもらえるの? 新入社員がもらえるボーナスの金額について教えて!
執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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ボーナスの本質とは
会社員に毎月支払われる給与は、労働基準法により支給方法が定められており、最低賃金も地域別にその最低額が決められています(※1、2)。
一方、ボーナスについては、その支給が法律で義務付けられているわけではなく、会社の都合で支給するタイミングや支給額が決められています。
従って、会社によってはボーナス制度がない場合や、ボーナス制度がある会社でもその年の業績次第で支給額が大幅に変動することがあります。また、一般的にボーナスは、夏と冬の2回に分けて支給されます。
1.ボーナスの支給額は個人の業績による
ボーナスの支給額は一般的に、基本給と各種手当を含めた「基準額」を基に、会社ごとに決定している「平均支給月数」と、社員それぞれが人事評価などを経て決められる「評価係数」を掛け合わせた額になります。
ボーナスの額=基準額×平均支給月数×評価係数
従って、会社に対する貢献度が高い人の評価係数は高くなりますので、同じ会社であれば、個人の成績や業績によりボーナスの額が変わります。
2.新入社員の夏のボーナスは少ないのが一般的
ボーナスの本質から考えると、入社して間もない新入社員は会社に対する貢献度も低く、勤務月数も短いため、ボーナスが支給されたとしてもわずかな額になるわけです。
なお、産労総合研究所が実施した「2023年度 決定初任給調査」(※3)では、新入社員に対して「何らかの夏季賞与を支給する」と答えた会社は全体の86.1%であり、支給方法については64.5%の会社が「一定額(寸志等)を支給」と回答しています。
ボーナスの金額は?
企業規模別に労働者1人当たりの夏のボーナスの支給額を見てみましょう。この額は厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等」(※4)によれば、表1のとおりとなっています。
表1
企業規模 | 一人平均賞与額 | 前年比率 |
---|---|---|
500人以上 | 67万3602円 | 5.9% |
100~499人 | 44万1551円 | 5.7% |
30~99人 | 33万6960円 | △0.4% |
5~29人 | 26万4470円 | △0.3% |
※4を基に筆者作成
まとめ
ボーナスは、通常夏と冬の2回に分けて支給されます。ただし、ボーナスを支給するかしないか、支給のタイミングや支給額は、会社の都合で決定されます。
また、ボーナスの額は、社員の会社への貢献度によって決定されます。従って、入社から間もない新入社員の夏のボーナスは、支給されたとしても寸志程度の額になることが大半です。
新入社員の皆さんは、冬のボーナスや来年の夏のボーナスを楽しみに、仕事に対するモチベーションをあげて勤めることをお勧めします。
出典
(※1)e-Gov 労働基準法 第3章 賃金
(※2)厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
(※3)産労総合研究所 2023年度 決定初任給調査
(※4)厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等 表2「令和4年夏季賞与の支給状況」
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士