「うちって金持ちなの?」娘に聞かれましたが、世帯年収600万円では胸を張って「金持ち」といえませんか……?

配信日: 2023.12.16 更新日: 2023.12.18

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「うちって金持ちなの?」娘に聞かれましたが、世帯年収600万円では胸を張って「金持ち」といえませんか……?
子どもにある程度物心がついてくると、自分の家が「お金持ち」なのかどうか、気になることもあるようです。親としては、できれば子どもには貧乏だと思わせたくない、と思う反面「実際にうちの家計はどうなのだろう」と悩んでしまうこともあるでしょう。
 
そこで、世帯年収600万円の世帯は「お金持ち」であるのか、考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

子育て世帯の平均的収入はどれくらい?

厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」2021(令和3)年のデータによると、15歳以上の有業者の平均な所得金額(男女計)は、362万円となるようです。ここだけ見れば、世帯年収600万円の世帯は多少なりとも「お金持ち」の部類であるように感じられるかもしれません。しかし、児童のいる世帯に限定すると、同年の平均所得金額は785万円ということが分かりました。
 
また、児童のいる世帯の所得金額分布を見ていくと、最も多いのが1200万円から1500万円未満の世帯で、全体の7.1%です。
 
次いで多いのが1000万円から1100万円未満の世帯で全体の6.7%、そして600万円から650万円未満の世帯が全体の6.2%となっています。
 
世帯年収600万円の世帯は、ボリュームゾーンとしては3番目付近に位置し、平均よりも少ない世帯年収であることを考えると、子育て世帯としては胸を張って「お金持ち」とはいえない収入かもしれません。
 

世帯年収600万円で今後子育てをしていけるのか

子育て世帯の不安にはもう一つ「世帯年収600万円で子育てをしていけるのか」というものがあるでしょう。この点に関しては、不可能ではないでしょう。しかし、世帯年収が600万円あっても、子育て自体は金銭的な面で楽ではないようです。
 
同調査より、各種世帯の生活意識を見ていくと、児童のいる世帯では、全体の過半数を超える54.7%が、生活について「苦しい」と答えています。内訳として、22.9%が「大変苦しい」、31.7%が「やや苦しい」と答えています。また、「普通」と答えたのは全体の39%です。
 
ここから、世帯年収600万円の世帯において、子育ては不可能ではないものの、楽ではなさそうだと考えられます。
 

世帯年収を上げるには?

先述のとおり、世帯年収が600万円では子育てに苦労する可能性があるとすれば「子どものためにも、どうにかして収入を上げたい」と思う方もいらっしゃるでしょう。世帯年収は、努力次第である程度上げることができるといわれています。
 
例えば、副業をする、現在の勤務先で昇給を目指す、残業を積極的にするなどの方法があります。これらは比較的リスクが低く、現在の勤務先での収入を減らすことなく取り組むことができるため、広く万人におすすめできます。
 
そのほか、配偶者の一方が扶養内で勤務しているような場合や、専業主婦であるような場合は「扶養から外れて働く」などといった方法でも、世帯収入を上げることができるでしょう。
 
ただし、転職で収入を上げようと考える際は要注意です。転職では「思ったような給与形態や労働環境ではなかった」というリスクがあります。転職は基本的に、収入アップのために有効な手ではありますが、失敗すると現在よりも労働環境が悪化し、最悪の場合は収入が落ちてしまうおそれもあることから、子育て世帯の場合は慎重にすべきでしょう。
 

まとめ

世帯年収600万円は決して貧乏な世帯ではありませんが、子どもに胸を張って「お金持ち」といえるほどのものでもないでしょう。とはいえ、子育てをしていくことはできる年収であり、そう悲観する必要もありません。
 
もし、子どもに胸を張って「お金持ち」だといえるようになりたいのであれば、副業や転職、昇給を狙うなどして収入を上げられるでしょう。ただ、子育て世帯であれば、現在の働き方や生活のリズムなども考慮したうえで判断することをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
1

e-Stat 令和4年国民生活基礎調査
有業者(15歳以上)1人当たり平均所得金額、勤めか自営かの別-勤め先での呼称・性・年次別 表番号19
児童のいる世帯の平均所得金額-平均世帯人員-平均有業人員、年次別 表番号16
児童のいる世帯数の相対数分布-累積度数分布、年次・所得金額階級別 表番号17
世帯数、世帯類型-児童のいる世帯-65歳以上の者のいる世帯・生活意識別 表番号197

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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