更新日: 2023.12.18 年収
世帯年収1200万円なので「パワーカップル」の自覚はあるのですが、パワーカップルの注意点はありますか?
そこで、パワーカップルとはどのような方々なのか、そして、世帯年収1200万円でもパワーカップルと名乗ってもよいのかについて考えていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
パワーカップルとはどんな人々?
「パワーカップル」の定義には諸説ありますが、おおむね夫婦共働きで、世帯収入が高い夫婦を指します。その点を踏まえると、年収1200万円ある世帯はパワーカップルと名乗ってもよいでしょう。
また、どちらかというと、夫婦の一方だけが高所得のケースよりは、夫婦合わせて高所得の世帯を、パワーカップルということが多いようです。そのため、夫が年収1100万円、妻が扶養内で年収100万円という世帯の場合、人によってはパワーカップルには該当しないと考えることもあるようです。
パワーカップルでも意識しなければ貯蓄はできない
パワーカップルに該当するような方々に、意識を向けていただきたいのは消費についてです。
パワーカップルは、一般的な世帯以上に収入がありますので、子どもの教育にとりわけお金をかけているなどの特別な事情がない限り、生活には余裕があるはずです。しかし、だからこそお金の使い方もルーズになり、いわゆる無駄遣いが多くなり、貯蓄が世帯年収に比して高くないということもあり得ます。
基本的に貯蓄というものは、意識をしなければ思うようにはたまっていきません。特に忙しいパワーカップルの中には、日々仕事に追われ、家事の時短やストレス解消のために財布のひもも緩くなりがち、という夫婦もいるようです。そのため、ある意味では、世帯収入が高いからこそ、意識的に貯蓄をする必要があるともいえそうです。
また、貯蓄をしているつもりであっても、収入に比して、意外と貯蓄額が低いということもあります。世帯年収が1200万円もあるパワーカップルだからこそ、十分納得がいくだけの額が貯蓄できているかなど、収支の見直しをしてみてもよいのかもしれません。
パワーカップルこそ節税と資産形成を考えるべき
パワーカップル世帯は、収入が高い分、税金も高くなります。そこで、重要になるのが節税です。
年収900万円の第2号被保険者である方が、40歳から65歳までの間に毎月2万円をiDeCo(個人型確定拠出年金)に拠出し、年利5%で運用すると、1年間の節税額は7万2000円となります。また25年間の節税額の総額は、180万円になります。さらに、全額非課税となる運用益は591万194円となり、元利合計で1200万円近い資産を用意することができます。
また、年収300万円の妻が同条件でiDeCoに拠出すると、1年間で節税できる金額は3万6000円、25年間の節税額は90万円となります。このように、iDeCoによる節税効果は、パワーカップルにとって大きな影響を及ぼします。
また、ふるさと納税もパワーカップルにとって有効な方法です。年収900万円の方は15万円、年収300万円では2万7000円が控除上限額となり、年間で合わせて17万7000円もふるさと納税することができます。各自2000円の自己負担額を除くと、17万3000円の控除を得ながら、最大で5万3000円相当の返礼品を受け取ることができ、その恩恵は非常に大きなものとなります。
特に税金を節税してこなかったパワーカップルの方々は、まずは、iDeCoとふるさと納税から始めてみるとよいでしょう。
まとめ
パワーカップルの定義には諸説ありますが、世帯年収が1200万円あれば、一応はそのように名乗ってもよさそうです。とはいえ、パワーカップルは収入が高い分、お金がたまらなかったりすることも珍しくありません。
そして、今収入が高いからといって、将来も安泰とは限りません。特に、パワーカップルでありながら、計画的に貯蓄ができていないようであれば、計画的にお金が貯蓄できるように収支を見直して、iDeCoやふるさと納税によって節税や資産形成を図っていくようにしましょう。
出典
楽天証券株式会社 節税シミュレーション
株式会社さとふる さとふる ふるさと納税の控除上限額(限度額)がわかるシミュレーション&早見表
執筆者:柘植輝
行政書士