冬のボーナスはいくらもらえた? ボーナスの活用法3選を紹介
配信日: 2023.12.24
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
民間企業での冬のボーナスの支給水準
まずは民間企業のボーナスについて見ていきます。⼀般財団法⼈ 労務行政研究所による調査の結果では、2023年の年末一時金(冬のボーナス)の支給水準は、東証プライム上場企業の全産業ベース(187社、単純平均)で80万28 円となりました。
支給水準(妥結額)としては1970 年に調査を開始して以来、初めて 80 万円台となっています。前年末の実績額と比較すると1万2104円アップ、同期比では1.5%増で、2年連続でのプラスとなりました。
ただし、産業や業種によっては前年同期に比べて支給水準の推移に違いがあります。
例えば、製造業では鉄鋼業や機械業は前年同期比で6.1%増となっていますが、紙・パルプ業は6.4%減、繊維業も3.7%の減少です。また、非製造業では商業の3.5%増に対し、電力は3.6%減となっています。
国家公務員のボーナスの平均支給額
続いて、国家公務員のボーナスを確認していきます。
内閣人事局の発表によると、2023 年冬の国家公務員のボーナスの平均支給額は、一般職(管理職を除く行政職職員)で約67万4300円でした。前述した民間企業での支給水準の平均に比べると低いですが、前年同期から約3.4%アップし、2年連続の増加となっています。
なお、2023 年夏のボーナスの平均支給額は63万7300円で、こちらも前年同期比では9.0%アップとなっていたため、国家公務員の方にとって2023年は大幅にボーナスが増えた1年となったようです。
ボーナスの有効的な活用法
せっかくボーナスが増えても、何となく銀行の口座に入れたままにしておくと、いつの間にか無くなってしまうかもしれません。
ボーナスを無駄遣いせず、有効活用するためには、使い道について計画を立てたり、適切な場所に早めに移しておくことが大切です。例として、以下の3つの方法を検討してみてください。
1. ローンの早期返済に充てる
住宅ローンや車のローンは家庭の借金です。できるだけ早めに返済することで、支払わなければならない利息を減らせるため、ボーナスのすべて、または一部をローンの返済に充てるのはおすすめの使い方です。
2. 貯金用の口座に移す
ボーナスを何に使うか具体的に決まっていない場合は、取りあえず貯金用の口座にお金を移しておきましょう。生活費と同じ口座に入れておくと、つい多めに使ってしまうことがあるかもしれません。
例えば、一定期間は引き出すことができない定期預金の口座に移すのもおすすめです。
3. 資産運用に回す
ボーナスの一部を元手資金として、資産運用にチャレンジするのもいいでしょう。
2024年からは、運用で得た利益が非課税となるNISA(少額投資非課税制度)が大幅に変更されます。非課税保有期間が無期限となり、年間で投資できる金額が増えるなど、新NISAとしてさらに使いやすくなるので、ボーナスをきっかけに資産運用を始めようと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
すでに積立投資などを行っている場合は、掛け金を増額する、または分散投資として別の商品を購入するのもおすすめです。
まとめ
一部では増加傾向が見られる2023年冬のボーナスですが、物価高も続いているため、しっかりと計画を立てて使うことが大切です。
今回紹介した例も参考にして、ボーナスをどのように活用するか考えてみてください。
出典
⼀般財団法⼈ 労務行政研究所 東証プライム上場企業の2023 年 年末⼀時⾦(賞与・ボーナス)の妥結⽔準調査
内閣官房内閣人事局 令和5年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者