更新日: 2024.01.24 年収

平均的な年収は「400万円台」といわれますが、統計上の平均年収は何円?

執筆者 : 柘植輝

平均的な年収は「400万円台」といわれますが、統計上の平均年収は何円?
平均的な年収は「400万円くらい」であるといわれつづけています。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。今回は一般的な肌感覚ではなく、統計を基に、日本の平均年収がどれくらいか考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

統計上458万円が平均年収だが対象によっても多少変化する

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の方の平均年収(男女計)は、1人当たりおよそ458万円となるようです。「一般的な平均年収」と聞くと、多くの方が400万円から500万円の間の金額をいいますが、統計的にもその感覚は間違っていないようです。
 
図表1
 

 
※出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
 
ただし、男女別に見ると平均年収には大きく差がつきます。男性の場合はおよそ563万円と、平均を100万円以上上回っています。それに対して女性はおよそ314万円と、平均を下回っています。
 
これを正社員(正職員)かどうかで分けて見ていくと、正社員の平均年収はおよそ523万円、正社員以外ではおよそ201万円となっています(いずれも男女計)。
 
ここから、正社員の平均年収は523万円といえ、世間で一般的にいわれる「年収400万円台」という数値よりも、実際には高いのだということが分かります。さらにこれを男女別に見ていくと、正社員の男性は平均年収およそ584万円、女性はおよそ407万円となります。特に男性の平均年収はなんと600万円近くもあり、一般的な方がイメージする平均年収よりもかなり多いようです。
 
このように、雇用形態や性別によって大きく平均年収が変わる要因には、働き方が考えられます。基本的に、正社員に対してパートやアルバイトといった非正規雇用は、労働時間が短いことや、そもそもの賃金が少ないことも珍しくありません。特に女性の場合は、結婚や出産を機に退職する方、非正規雇用や時短勤務を選択する方も少なくないのです。
 

公式サイトで申し込み

【PR】みずほ銀行カードローン

mizuho

おすすめポイント

・<金利年2.0%~14.0%
・ご利用限度額は10万円から最大800万円
・さらに入会金・年会費は無料!24時間、WEB申込受付中!

融資上限額 金利 審査時間
最大800万円 年2.0%~14.0%※1 最短当日
融資まで 来店
最短当日 -
※1 住宅ローンのご利用で、本カードローンの金利を年0.5%引き下げます。引き下げ適用後の金利は年1.5%~13.5%です。

20代や30代で平均年収未満でも、焦ることはない

平均年収について気にしているのは、中高年の方だけではありません。これから結婚や子育て、老後などお金のかかる時期に差し掛かるであろう、20代や30代の方もいます。
 
その点に関して、20代や30代で平均年収に近い収入がないからと、焦る必要はないでしょう。
 
先に見てきた統計において、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢はおおむね46歳前後、平均勤続年数は10年前後であるからです(図表1参照)。日本にはまだまだ年功序列が色濃く残っている会社も珍しくなく、20代や30代のうちに、平均年収のような500万円前後を稼ぐことは、そう簡単ではないのです。
 
無理に若いうちに稼ごうとせず、年齢とともにキャリアを重ね、焦らずじっくり収入を上げていくのがいいでしょう。
 

業種によっても平均年収は大きく変わる

残念ながら「お金を稼ぎやすい職業」というものは存在しています。同統計より、業種別の平均給与を見てみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」は平均年収が747万円と、全業種中最も高くなっています。
 
図表2
 

 
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
 
一方で、宿泊業・飲食サービス業は最も平均年収が低く、268万円です。参考までに、全業種の平均年収は458万円ですが、どの職業を選ぶかで、世間一般的な平均年収を稼ぐ難易度が変わります。
 
少なくとも、平均年収と比べて1.7倍の差が出ている宿泊業・飲食サービス業で、平均程度の年収を稼ぐのは相当に難しいことが予想されます。
 

まとめ

働き方などを問わない場合、日本の平均年収は458万円となっています。しかし、例えば働き方を正社員に絞れば523万円となり、ひとくちに平均年収といっても、条件次第でその金額は大きく変わります。
 
また、自分が身を置く業界によって、平均年収は大きく変わります。
 
もし、周囲との年収差が気になるのであれば、単に収入の額だけではなく、自身の年齢や業界なども考慮してみてください。
すると、意外と自分の年収は平均年収よりも低くなかった、ということもあるかもしれません。
 

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査

 
執筆者:柘植輝
行政書士

ライターさん募集