更新日: 2024.02.29 年収
新卒社員なので、昇給ペースのイメージが湧きません。月10万を自由に使えるようになるには、どれだけの収入が必要ですか?
今回は、年代ごとの平均給与などをもとに、月10万円を自由に使えるようになる収入の目安について考えてみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年代ごとの平均月収は?
昇給のペースや、昇給後の具体的な金額は、個人や勤め先などにより異なります。ここでは、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の結果から、日本人の平均的な月収を年代別に確認しつつ、昇給のイメージをつかんでみましょう。
令和4年の同調査結果によると、20〜24歳の平均月収は21万8500円、25〜29歳の平均月収は25万1200円でした。30〜34歳は28万1000円、35〜39歳では31万2500円となっています。大学を卒業し即就職した人は、入社してから10年以上経過すると30万円近くの月収を受け取れる可能性があるでしょう。
40〜44歳の平均月収は33万3700円、45〜49歳の平均月収は34万9200円となっています。50〜54歳では36万4700円、55〜59歳では37万円です。55〜59歳がデータ上はピークであり、そこからは徐々に月収が下がる傾向がみられます。
あくまでも平均の月収であり、年齢が上がるごとに個人差が生じやすくなるでしょう。昇給のイメージとしては活用可能ですが、参考程度にとどめておく必要があります。
働いている人の生活費
次に、総務省統計局の「家計調査」から、毎月の平均消費支出額をみてみましょう。令和4年の調査結果によると、単身かつ勤労者世帯における、1ヶ月あたりの平均消費支出額は約17万8000円でした。34歳までは約16万1000円ですが、35〜59歳では約19万4000円と増加しています。
住居費の平均が約3万2000円となっている点には注意が必要です。持ち家の人も調査対象となっているため、さほど高くない金額となっています。ひとまず、17万8000円から3万2000円を差し引いた14万6000円が、住居費を除く生活費の相場となるでしょう。
総務省統計局による「平成30年住宅・土地統計調査」では、東京都の1ヶ月あたりの家賃・間代の平均は8万1000円となっています。東京都内の賃貸物件に住んでいる場合、毎月の消費支出額は22万7000円程度になると想定できます。
22万7000円には菓子類(約3000円)や教養娯楽費(約2万1000円)などが含まれている点にも注意しなければいけません。それらの項目のうちの一部を、生活や仕事に重要な関わりをあまりもたない出費として除いてみます。「自由に使える」という表現をどう定義するかによって除く項目は変わってきますが、大まかに計算すると、毎月の生活費は20万円程度が相場となるでしょう。
月10万円を自由に使えるようになる収入の目安
毎月の生活費が20万円かかると仮定した場合、月10万円を自由に使えるようになるには、手取りで30万円以上が必要です。手取りは収入の75〜85%程度が相場のため、ここでは80%として計算してみましょう。
手取りが30万円となるには、37万5000円の月収が必要となる計算です。月10万円程度のお金が、本当の意味で自由に使えると実感できるのは、月収で40万円を超えたあたりとなる可能性があります。
賃金構造基本統計調査によると、どの年代も平均月収では40万円を超えていません。社会人を続けていれば順調に昇給はするものの、自由に使えるお金を増やすのは簡単ではないといえます。
10万円を自由に使うのに必要な月収は約40万円
社会人になり、そのまま働き続けていると、給与は徐々に増えていくのが一般的です。統計をみても年齢が上がるにつれて平均月収は増えていき、50代になると月に30万円台後半の給与が受け取れるようになります。
しかし、月に10万円もの金額を自由に使えるようになるには、平均的な生活費を考慮すれば、月収で40万円ほどは必要です。データをみる限り簡単ではありませんが、業界や職種、個人の能力や実績などにより給与は変わってきます。しかし、月10万を自由に使えるようになることを目標に努力する価値はあるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査 2022年 1世帯当たり1か月間の収入と支出 男女、年齢階級別
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査 住宅および世帯に関する基本集計 結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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