更新日: 2024.03.15 年収

年俸制の企業に就職! 「残業代」や「退職金」は出ないの? 月給制との違いを解説

執筆者 : 篠原まなみ

年俸制の企業に就職! 「残業代」や「退職金」は出ないの? 月給制との違いを解説
4月から、年俸制の企業で働き始めるという方もいらっしゃるでしょう。残業代や退職金などはどうなるのか、気になるという方もいると思います。本記事では、月給制との違いを解説します。
篠原まなみ

執筆者:篠原まなみ(しのはら まなみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者

外資系証券会社、銀行で20年以上勤務。現在は、日本人、外国人を対象とした起業家支援。
自身の親の介護、相続の経験を生かして分かりやすくアドバイスをしていきたいと思っています。

年俸制とは

年俸制とは、従業員の前年度の成果・実績にもとづいて、また転職の場合は、前職の給料やスキルをもとに、雇用主と雇用者との間の合意(契約)により1年ごとに給料を決める制度です。
 
ただ、年俸制といっても労働基準法24条(賃金の支払)で「賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」とあるので、年俸を年12回以上に分けて支払う必要があります。
 
一般的に年俸制は、外資系企業など成果主義の企業で採用されています。日本企業では伝統的に月給制を採用していましたが、最近では優秀な人材を確保するため、IT系の人材やコンサルタントなど専門性が高い職種で採用されています。
 

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年俸制と月給制の違い

1ヶ月に1回は給料が支払われることから、年俸制も月給制も表面的には違わないように見えますが、年俸制と月給制には大きな違いがあります。
 
年俸制の場合、雇用主は事前に合意した金額を支払わなければならない義務があります。一方、月給制の場合は、毎月給料を決めることができます。そのため雇用主は、年の途中でも給与額を変更できます。
 
ただし、給料の減額は雇用者にとって日々の生活に大きな影響を及ぼしますので、雇用者の合意なくして、就業規則を変更することは労働契約法第9条によって禁止されています。
 
逆にいえば、雇用者との合意があったり(労働契約法第8条)、就業規則の変更を周知して合理性が認められたりする場合(労働契約法10条)には、給与の減額のような労働条件の不利益変更も年の途中で変更することが可能です。
 

年俸制の企業は、残業代や退職金は出る? 出ない?

まず残業代です。年俸制の企業でも基本的には、法定労働時間の「週40時間、1日8時間」を超えて働いた分は、残業代が支給されなければなりません。
 
例外として、一定時間分の残業代が年俸に含まれている場合(固定残業代)は、残業代は別途支給されません。その場合でも、一定時間分を超えた場合には、残業代が支給されます。
 
そのほか、残業代が別途支給にならないケースとしては、「事業場労働のみなし労働時間制」や「裁量労働制」など、みなし労働時間制の場合が挙げられます。年俸制の会社に就職する場合は、固定残業代が含まれているか、みなし労働制なのかを就職先の就業規則や雇用契約書で確認するようにしましょう。
 
次に退職金です。年俸制の会社だからといって一概に退職金が出る・出ないとはいえず、就業規則によって規定されている場合には、退職金が支払われます。法律上退職金制度は義務付けられていないので、月給制の会社でも退職金制度を設けていない会社があります。
 

まとめ

以上見てきましたように、年俸制の企業の残業代や退職金は、雇用契約書や就業規則によりますので、基本には月給制の企業と変わりません。年俸制は、雇用主から提示された給料を雇用者が合意をして成立します。
 
年俸制のメリットとしては、1年の給料があらかじめ分かっているので、収支の計画が立てやすいということが挙げられます。
 
年俸制を採用している外資系企業のなかには、1年の給料のほかに所属部署や個人の業績に連動してインセンティブボーナスを追加で支給する場合があります。さらに、本人の功績しだいで翌年度の給料が大幅に上がる可能性もあります。
 
一方、デメリットとしては、年功序列制度と違い、本人の成績によっては翌年度の給料が大きく下がることがあり、場合によっては成績が振るわないことを理由に解雇される可能性もあります。
 
月給制の会社で働くのがよいのか、年俸制の会社で働くのがよいかは、個人がどのような生活を送りたいかにより変わりますので、就職をするときは慎重に選びましょう。
 
執筆者:篠原まなみ
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者

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