彼氏は35歳で「年収600万円」です。私も500万円ほどなので、結婚後は「パワーカップル」として暮らせますか? 上位何パーセントでしょうか?

配信日: 2024.03.23

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彼氏は35歳で「年収600万円」です。私も500万円ほどなので、結婚後は「パワーカップル」として暮らせますか? 上位何パーセントでしょうか?
夫婦共働きが当たり前となった現代、夫婦どちらも高年収を得ている「パワーカップル」が注目されています。テレビやニュースなどで取り上げられることも増え、憧れている人もいるのではないでしょうか。
 
ただ、一体どのくらいの年収があればパワーカップルに該当するのでしょうか。本記事では、パワーカップルの定義と年収の分布状況について解説します。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

パワーカップルの定義は決まっていない

パワーカップルに、「夫婦で年収いくら以上」などの正式な定義はありません。ざっくりと、共働きで収入の高いカップルを指している言葉となっています。
 
ちなみに、機関によってはパワーカップルの定義づけがされており、ニッセイ基礎研究所は「夫婦それぞれの年収が700万円以上の世帯」、三菱総合研究所は「夫の年収が600万円以上、妻が400万円以上で、世帯年収1000万円以上」としています。
 
これらの定義にのっとると、夫年収600万円、妻年収500万円であれば、ニッセイ基礎研究所が定めるパワーカップルには該当しませんが、三菱総合研究所のパワーカップルには該当するということになります。
 

夫婦で年収1100万円は上位9.5%

厚生労働省の「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概要」によると、世帯年収1100万円は上位9.5%に該当します(図表1)。平均は545万7000円、中央値は423万円であることからも、1100万円はパワーカップルに該当するか否かは別としても、高年収カップルであるといえるでしょう。
 
図表1


厚生労働省 2022(令和4)年国民生活基礎調査の概要
 

夫婦いずれも年収700万円以上は0.66%

夫婦いずれも年収700万円以上というニッセイ基礎研究所が定めるパワーカップルに該当する世帯は、2022年で37万世帯となっており、総世帯の0.66%、共働き世帯の2.25%というごく一部のようです。
 
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の給与階級別分布をみると、男性で年収700万円超稼いでいる人の割合は23.9%、女性で4.8%、全体を平均すると15.7%となっています。女性が年収700万円以上となるには、男性よりもハードルが高いことがうかがえます。
 

パワーカップルの注意点

最後に、年収の高いパワーカップルだからこそ注意しておかなければならないことを紹介します。


・税金、社会保険料が高い
・生活水準が高くなりやすい
・片方が働けなくなったときを想定する

年収が高いと必然的に税金と社会保険料も高額になります。特にパワーカップルの場合には高年収×高年収なので、世帯年収が高くても手取りは意外と少ないケースがあります。年収が上位だからといって、片働きの世帯よりも生活に余裕はないかもしれません。
 
また、人は不思議と収入に合わせて生活してしまう部分があります。高年収であればそれだけ支出も多くなりやすいので、夫婦のどちらかが突然働けなくなった場合には生活が一変してしまう可能性があります。収入減少のリスクに備え、生活はできるだけコンパクトにしたほうが良いかもしれません。
 

まとめ

パワーカップルの定義は明確に定められておらず、世帯年収1100万円がパワーカップルに該当すると断言はできません。ただ、上位9.5%に入る年収であることから、高年収であるとは言えるでしょう。
 

出典

厚生労働省 2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況
ニッセイ基礎研究所 パワーカップル世帯の動向(1)-コロナ禍でも引き続き増加傾向、子育て世帯が約6割
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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