更新日: 2024.04.16 年収

娘は29歳で「年収600万円」です。ただ結婚を考えている恋人が「年収300万円」ほどらしいのですが、共働きなら問題ないでしょうか? できるだけお金で苦労はしてほしくないです

娘は29歳で「年収600万円」です。ただ結婚を考えている恋人が「年収300万円」ほどらしいのですが、共働きなら問題ないでしょうか? できるだけお金で苦労はしてほしくないです
手塩にかけて育ててきた子どもには幸せになってもらいたいと思うのは親の常ですよね。そのため、子どもの結婚相手の収入が思ったよりも高くないと「うちの子が苦労するのでは?」と不安になることもあるでしょう。
 
本記事では、娘の収入600万円に対して結婚相手の収入が300万円の場合、娘がお金で苦労しないのか、世帯年収900万円なら東京都23区でも生活ができるのか検証していきます。

全世帯の平均年収は545万7000円

厚生労働省の「2022年(令和4年)の国民生活基礎調査」によると、2021年の一世帯あたりの平均年収は「全世帯」で545万7000円となっています。また、「高齢者世帯」は318万3000円、「高齢者世帯以外の世帯」は665万円、「児童のいる世帯」は785万円という結果でした。
 

世帯主が29歳以下の場合、平均世帯年収は377万5000円

世帯主の年齢階級別でみると、29歳以下の平均世帯年収は377万5000円です。質問者の娘さん(29歳)の恋人が同い年だと仮定すると、恋人の年収300万円は平均世帯年収より80万円弱低いということになります。
 
ただこれは「世帯年収」であるので、結婚した場合は娘さんの年収600万円も含めると世帯年収900万円となります。世帯年収900万円というのは図表1の分布図によると全体のわずか16.2%ですので、かなりの高収入の世帯ということが分かりますよね。
 
図表1

図表1

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 所得金額階級別世帯数の相対度数分布
 

二人で住む場合いくらかかる?

次に、実際の生活費をもとに「お金で苦労せず生活できるのか」を検証していきます。
 
娘さんが年収600万円の場合、1ヶ月あたりの額面収入は50万円、手取り収入は約38万3000円。結婚相手が年収300万円の場合、1ヶ月あたりの額面収入は25万円、手取り収入は約19万7000円となります。2人合わせると1ヶ月あたりの手取り収入は約58万円です。
 

東京都内での生活の場合

総務省の「2023年家計調査」で、東京都区部における住居費を除く二人以上の世帯(世帯人数2.93人)の1ヶ月当たりの平均的な消費支出の額を見ると31万4863円でした。夫婦で暮らそうと思うと住居費以外に約32万円が必要だということが分かります。ここに住居費を加えた額が二人以上で暮らすために必要な生活費です。
 
株式会社リクルートが運営する住宅情報サイトSUUMOによると、東京都23区の1LDK・2K・2DKのマンションの平均家賃は13万3695円でした。
 
これを東京都の平均的な消費支出額(住居費を除く)に加えると約44万8000円となります。平均的な消費支出のデータは世帯人員2.93人での結果ですので、夫婦二人暮らしであればもう少し安く済みそうです。
 
娘さんと恋人の1ヶ月あたりの手取り収入は合計約58万円なので、毎月13万円ほど余る計算となるため、問題なく生活できそうです。
 
ちなみに東京都23区の2LDK・3K・3DKのマンション平均家賃は18万7434円でしたので、もう少し広い部屋に住みたいという場合でも毎月7万円以上余裕がある計算となりました。
 

まとめ

わが子には、できるだけ苦労してほしくないのは親なら必ず願うことでしょう。今回は、全世帯の平均世帯年収と二人以上いる世帯の消費支出額を考慮した上で、東京都23区内で暮らしていけるのか検証してみました。
 
確かに娘さんの結婚相手の年収は平均より低めですが、世帯収入で見ると900万円とかなりの高収入になりますので、平均的な支出であれば生活が苦しくなるようなことはないでしょう。心配する気持ちもあるかと思いますが、結婚は当人同士の気持ちが重要です。そのため、不安であってもわが子の選択を見守ることも大切だと覚えておきましょう。
 

出典

厚生労働省 2022年(令和4年) 国民生活基礎調査 II各種世帯の所得等の状況
総務省統計局 2023年家計調査 家計収支編
 
執筆者:本条アカネ
FP2級

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