更新日: 2024.04.25 年収

43歳で部長に昇進した友人が「給与と業務時間が見合っていない」と愚痴をこぼすのですが、実態はどうなのでしょうか?

43歳で部長に昇進した友人が「給与と業務時間が見合っていない」と愚痴をこぼすのですが、実態はどうなのでしょうか?
昇進した結果、給与と業務時間が見合わなくなったことに、悩んでいる方はいないでしょうか。実際のところ、そう思っている方は一定数存在します。そこで、43歳で部長に昇進した友人を持つ方からの相談を例に、考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

給与と業務時間が見合わない場合、残業代が支払われていない可能性がある

昇進して、給与に残業時間が見合わなくなった場合、まず考えられる原因には「残業代が支給されなくなった」というものがあります。法律上、ある労働者が管理監督者に該当する場合は、一般の労働者とは取り扱いが異なります。
 
管理監督者としてふさわしい待遇(給与面や権限面を含めて多角的に判断する)がなされている限り、当該する地位にある者については、残業代を支給する必要がありません。
 
そのため、残業代が支払われず「働いた時間に比して給与が少ない」と感じられる可能性もあります。日本の会社においては、残業代が払われる管理職が少なく、SNSをはじめ、さまざまな場所でそのような声が上がっています。
 

「業務自体がしんどい」と、当人が感じている可能性もある

たとえ当人が管理監督者として十分な額の給与をもらっていて、残業代も出ていたとしても、「給与と業務時間がかみ合わない」と思ってしまう可能性があります。
 
例えば、課長は中間管理職であり、上からも下からも物申され、業務時間が長くなりがちです。残業時間だけでなく業務内容も、人によっては管理職ではなかったときより、ストレスを感じるものに変わっていることでしょう。そういった状況にあると、業務時間が長くなったように感じることもあり得ます。
 
また、社内の給与水準が低く、一般的な業務時間に見合わないことも考えられます。
 
課長の給与は、厚生労働省によれば平均しておよそ49万円です。月額50万円近い給与となっており、一般的に見れば高額です。単純計算した年収でも、600万円相当です。賞与の内容次第では、年収700万を超えて800万円近くになることもあるでしょう。
 
あくまでも統計上の金額であるため、今回のケースの友人に当てはまるとは限りませんが、給与が高くとも、業務内容が精神的あるいは肉体的に過剰な負荷をかけてしまっている可能性も考えられます。
 
特に中小企業では、一般社員の月給が20万円、課長でも月給が27万円程度といった会社も見受けられます。友人の会社がそういった給与形態の会社であるとしたら、43歳という働き盛りの年齢も加味し、当人から愚痴がこぼれるのも無理はないでしょう。
 

管理職が合わない人もいる

世間では「自分には監理職が合わない」と管理職を嫌がる方の存在は少なくありません。理由はもろもろあるのでしょうが、株式会社ビズヒッツの調査によれば、男女ともに管理職になりたくない理由として、主に「責任が重い」「仕事・残業が増える」というものがあります。
 
友人が愚痴をこぼすのは、もしかすると、「管理職が合わない」と感じるタイプの人間であるからかもしれません。
 

まとめ

課長に昇進した方が「給与と業務時間が見合わない」と嘆く理由について、もろもろの考察をしても、本当のところは本人に聞いて確認しない限りは分かりません。課長としての業務内容や任される仕事、裁量など詳細は、勤務先はもちろん、個人の能力や実績によって異なるからです。
 
とはいえ、課長という管理職について「給与と業務時間が見合わない」と感じてしまうのも事実です。自身が管理職となる場合は、周囲の様子だけではなく、社内の状況や自身の考え方も考慮して、決めていく必要があるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
株式会社ビズヒッツ「【管理職になりたくない理由ランキング】男女500人アンケート調査」
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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