「富裕層」は年収何万円から?受け取れる「年金額」はやはり多い?

配信日: 2024.05.08

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「富裕層」は年収何万円から?受け取れる「年金額」はやはり多い?
正直なところ、「富裕層」について明確な定義は存在しません。メディアや統計、論文ごとにその定義が異なっているというのが実情です。
 
資産が5億円など一定額以上あることを指す場合もあれば、年収が2000万円や3000万円などであることを指す場合もあるようで、一概にどういった条件が当てはまるとはいえません。「一般人から少しどころではなく、大きくかけ離れるほどのお金持ちだ」といえそうな収入や資産帯にあれば、一般的には「富裕層」といってもよいかもしれません。
 
参考までに、野村総合研究所では、1億円以上の純金融資産を保有している世帯を「富裕層」としているようです。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

富裕層といえど、年金額は異常なほど多いわけではない

「富裕層なら年金がたくさんもらえる」と思っている方もいるかもしれません。実際、富裕層に属するような方は、老後も優雅に生活を送っているように見えるでしょう。しかし、そうではありません。
 
実のところ、彼らが老後優雅に生活するために使っているお金は、年金というよりも、これまで蓄えてきた資産や、就労によって得ているお金が主になると考えられます。
 
日本人が加入する年金は、働き方によって、国民年金か厚生年金に分かれるものです。両方が、収入額に応じて変化するわけではありません。
 
国民年金は加入実績に応じて変化し、支給額の上限は月額換算で6万8000円です。富裕層だからとたくさんの額をもらえるわけではないのです。
 
また、厚生年金も加入期間やその間の平均年収によって変化するため、「現在は富裕層だから、老後に多く年金を得られる」というわけではありません。仮に、親から相続によって億単位の資産を得て、今は富裕層であったとしても、20歳から60歳まで年収400万円で働いた場合、65歳から受け取る年金は、年間で166万円(月額換算14万円弱)となります。
 
※1960年4月15日生まれの方と設定した上で、公的年金シミュレーターを用いて試算
 

富裕層になるには?

富裕層になることは、そう容易ではありません。親から多額の資産を受け継ぐ、事業に成功して一山当てるなど、現実離れしているどころか、ほぼ運任せに近いような部分もあります。もし現実的な方法で、かつなるべくリスクを取らずに富裕層になるとしたら、方法はひとつです。それは、一生懸命働き、コツコツと資産形成にいそしむことです。
 
仮に年収800万円から1000万円など、一般的に「高収入」と呼ばれるだけの収入を得て、最低限の生活で切り詰め、年間で300万円から500万円程度を貯金したとしましょう。それでも富裕層になるには、20年から30年程度かかるわけです。
 
一般層が富裕層になろうと思ったら、収入アップと節約を継続していることが必要だと考えていくべきでしょう。
 

まとめ

富裕層の定義はさまざまであり、「年収がいくらだから富裕層」と一概にいえるものではありません。また、富裕層であれば年金が多くもらえるわけではなく、その働き方により異なります。そのため、富裕層であっても年金は月数万円ということもあるでしょう。
 
富裕層についての定義がさまざまである分、今一度自分の憧れる富裕層について考えてみて、自分がどのようになりたいのか、理想について考えなおしてみてはいかがでしょうか。
 

出典

株式会社野村総合研究所 野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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