新卒社会人で「手取り17万円」です。額面給与が「21万円」なので大丈夫だと思ったのですが、この金額で“都内1人暮らし”は早かったでしょうか? 最近引っ越しを考えています…

配信日: 2024.06.29 更新日: 2024.07.02

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新卒社会人で「手取り17万円」です。額面給与が「21万円」なので大丈夫だと思ったのですが、この金額で“都内1人暮らし”は早かったでしょうか? 最近引っ越しを考えています…
額面給与から税金などが引かれるため、手取りは大きく減ってしまいます。
 
新卒社会人の平均年収や、都内で暮らす場合の平均生活費、さらに税金などがいくらぐらい引かれるのかの目安を解説します。
沢渡こーじ

執筆者:沢渡こーじ(さわたり こーじ)

公認会計士

新卒の平均年収はどれくらい?

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」によると、大学卒の平均給与は22万8500円、高専・短大卒だと20万2300円、高校卒だと18万1200円でした。額面給与21万円は平均的な額といえます。
 

平均手取りだとどれくらい?

初任給の手取り額は、額面給与に75%~85%をかけた額が目安になります。額面給与21万円で手取り17万円とすると、約81%のため、平均的な手取り給与になります。
 

都内での平均生活費

総務省統計局の2023年度家計調査によると、単身世帯の消費支出は16万6318円でした。ただし、この調査によると、家賃地代は1万8555円となっていますが、都内だともっと家賃は上がるでしょう。
 
東京都の平均家賃相場は総務省の調査によればおよそ8万円です。この8万円を家計調査の家賃地代として計算すると、東京都の1ヶ月あたり平均支出は約22万8000円になります。
 

都内1人暮らしは難しい?

総務省の家計調査は全ての単身世帯の平均であり、食費が月約4万2000円であったり、自動車の維持費で月約9000円かかったりしています。
 
都内では車は必要ない場合が多いですし、食事は自炊するなどして工夫すればもっと抑えられるでしょう。
 
家賃にしてもエリア毎に相場はかなり異なり、例えば、足立区は約6万3000円、立川市は約5万5000円など安いエリアはありますし、築古物件であれば相場家賃より安く借りられる家はあります。
 
生活費17万円だと生活は苦しいかもしれませんが、住む場所を変えたり、自炊したりするなどの工夫をすれば、暮らしていくのが無理というほどではないでしょう。
 

給与から引かれるもの

給与から引かれる税金などについて解説します。特に住民税には注意が必要です。
 
ここでは、額面給与21万円で、ボーナスが2ヶ月分、残業代も含めておよそ年収300万円を目安に考えます。
 

所得税

所得税の税率は、年収をもとに控除も反映させた「所得」の額によって違ってきます。年収300万円の所得は、生命保険に入っているなどの事情がなければ154万円となり、税率は5%です。
 

住民税

住民税は前年の所得に応じて算定されます。したがって、新卒の人は入社2年目から住民税が課税されるケースがほとんどなので注意しましょう。
 
住民税は所得の額に応じて決まる「所得割」と、住んでいる地域に応じて決まる「均等割」の2つにわかれています。
 
所得割は前年の所得に10%をかけたもの、均等割は東京都の場合、月に都民税1000円と市町村民税3000円です。前年の所得が154万円のとき、毎月の住民税はおよそ1万3000円になります。
 

社会保険料

社会保険料では「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の3つを払います。40歳以上になると「介護保険料」も支払う必要があります。
 
健康保険料は住んでいる地域によって違いますが、東京都で月額21万円の給料の場合は月約1万1000円、厚生年金保険料は月約2万円です。
 
2024年度の雇用保険料率は0.6%のため、給与21万円のときは月1260円です。
 

まとめ

都内で暮らす単身者の場合、家賃8万円のとき、平均支出は約22万8000円です。
 
手取り17万円の人が都内で暮らす場合は、家賃の安いエリアで住む家を探したり、自炊をしたりして節約をする必要があります。
 
また、社会人2年目からは住民税がかかってくるため、手取りがさらに減ることも想定して生活しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 2023年度
総務省統計局 平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
東京都 個人住民税
協会けんぽ 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
厚生労働省 雇用保険料率について
 
執筆者:沢渡こーじ
公認会計士

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