更新日: 2024.07.27 年収

社会人2年目で「月収22万円→24万円」に! でも住民税が増えて、手取りは「9000円」しか変わらないって本当? 手取り額をシミュレーション

社会人2年目で「月収22万円→24万円」に! でも住民税が増えて、手取りは「9000円」しか変わらないって本当? 手取り額をシミュレーション
本年度に新社会人となり、初めてまとまった額の収入を得たという人は、自分の給与明細から「住民税」が差し引かれていないことに気づいているでしょうか。税制上、住民税は「昨年の収入額」によって決定されます。社会人2年目で月収が2万円増加した場合、手取り額はどの程度増えるのかをシミュレーションしてみましょう。
山田圭佑

執筆者:山田圭佑(やまだ けいすけ)

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

社会人1年目で月収22万円・ボーナス合計50万円支給の場合、社会人2年目の住民税は?

住民税は「前年1月~12月に発生した収入金額」によって決定されます。今回のシミュレーションでは、次のような状況を想定して住民税額を計算します。
 

▼前提

・東京都在住のひとり暮らし
・東京都にある会社(全国健康保険協会に加入)に勤務
・民間保険には不加入
・その他、税額控除の対象となる医療費控除などはなし
・40歳未満(介護保険料の負担はなし)
・雇用保険料は「一般の事業(労働者負担が1000分の6)」に該当する
・2023年4月1日に新卒採用で入社
 

▼2023年・社会人1年目の収入

月収:額面22万円で固定
ボーナス:夏・冬あわせて額面50万円支給
額面年収:248万円(22万円×9ヶ月+50万円)
 

▼2024年・社会人2年目の収入

月収:2024年3月までは額面22万円→4月から額面24万円で固定
ボーナス:夏・冬あわせて額面80万円支給
額面年収:362万円(22万円×3ヶ月+24万円×9ヶ月+80万円)
 
給与収入のみを得ている人の住民税額の計算方法は、次のとおりです。
 
(年収-所得控除額-基礎控除額-社会保険料控除額)×10%+4000円(住民税均等割)
 
以上から、社会人2年目にかかる住民税は、以下のようになります。
 
(248万円-82万4000円-43万円-32万1824円)×10%+4000円=9万0417円
 
社会人2年目の6月以降は、この金額の約12分の1(7500円程度)が毎月の給与から差し引かれることになります。また、社会人3年目は2年目の年収額(額面362万円)に比例して住民税が増加しますので、さらに住民税の負担が上昇することが見込まれます。
 

「社会人1年目」「社会人2年目」の月収手取り額を計算してみる

次に、前記の「社会人1年目」「社会人2年目」の、ボーナス支給月以外の手取り額をシミュレーションしてみましょう。月の手取り額は以下の通り計算します。
 
給与支給額-各種社会保険料-所得税-住民税
 
これをシミュレーションの条件に当てはめていくと、次の通り計算できます。
 
▼社会人1年目
22万円-3万1328円-4340円-0円=18万4332円
 
▼社会人2年目
24万円-3万4176円-4980円-7500円=19万3344円
 
社会人2年目に月収が額面で2万円上昇したとしても、月の手取り額は約9000円の上昇にとどまるという結果になりました。社会人1年目には課されなかった住民税の負担が大きく、社会保険料負担も収入増にともない上昇する影響も見逃せません。
 

まとめ

今回のシミュレーションでは、額面月収24万円の社会人2年目の人の月収手取り額は19万3344円となりました。社会人1年目の時と比べて額面月収は2万円増えたとしても、手取り額は約9000円の上昇にとどまります。社会人1年目では負担の無かった住民税、月額約7500円程度の負担が毎月発生するようになり、思ったほどには手取りが伸びません。
 
加えて、社会人3年目は2年目の年収額に比例して住民税が増加しますので、さらに住民税の負担が上昇することが見込まれます。ライフプランの作成をする際には、きちんと計算に入れておきましょう。
 

出典

全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
東京都主税局 個人住民税
厚生労働省 令和6年度の雇用保険料率について
 
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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