更新日: 2024.07.31 年収

30歳で「年収450万円」です。多いほうだと思っていましたが、高卒の友人が「年収500万円」と聞いてびっくり! 大学を出てこの年収は“低い”でしょうか?

30歳で「年収450万円」です。多いほうだと思っていましたが、高卒の友人が「年収500万円」と聞いてびっくり! 大学を出てこの年収は“低い”でしょうか?
一般的に、大学卒は高校卒よりも初任給が高く、一生で稼ぐ金額も高い傾向にあるといわれています。とはいえ、全てのケースに当てはまるとは限りません。
 
中には、大学卒30歳で年収450万円の人が、同年代の高校卒の友人が自分よりも稼いでいることを知り、「大学を出てこの給与は低いのだろうか」などと感じることもあるかもしれません。実際はどうなのか、本記事で解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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30歳で年収450万円は決して給与が低いほうではない

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は458万円です。年収450万円であれば平均程度といえますが、年収は年齢を重ねるほど高くなる傾向にあります。
 
同調査では年齢階層別の平均年収も公開していますが、25~29歳は389万円、30~34歳は425万円です。30歳で年収450万円は平均よりも高い水準といえるでしょう。
 

大学卒と高校卒では一般的に生涯賃金には大きな開きがある

一般的に、大学卒のほうが高校卒よりも生涯賃金は高い傾向にあります。
 
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 労働統計加工指標集2023」によると、定年退職金の支給を受けたのち平均的な引退年齢まで非正社員で働き続けた場合、生涯賃金の平均は、男性で大学卒3億2020万円・高校卒2億6020万円、女性で大学卒2億5000万円・高校卒1億9000万円と、ともに6000万円ほどの差があります。
 

企業規模や業種によっては、高校卒のほうが大学卒よりも稼いでいる可能性もじゅうぶんある

一般的には高校卒のほうが大学卒よりも生涯賃金は高い傾向にありますが、企業規模や業種によっては、高校卒のほうが大学卒よりも稼いでいる場合もあります。
 
「ユースフル労働統計 労働統計加工指標集2023」によると、企業規模が10~99人の企業で働く大学卒生涯賃金の平均は、男性の大学卒で2億2660万円、1000人以上の企業で働く高校卒の場合は3億560万円、女性はそれぞれ2億1650万円、1億6560万円です。
 
また、平均年収は業界ごとの差も少なくありません。「令和4年分民間給与実態統計調査」では14業種の給与所得者の平均年収を公開しています。最も平均年収が高い「電気・ガス・熱供給・水道業」の平均年収は747万円ですが、最も低い「宿泊業・飲食サービス業」は268万円です。
 
トータルでは大学卒のほうが高校卒よりも賃金が高い傾向にはありますが、企業規模や業種などの状況次第では、大学卒の自分よりも高校卒の知人のほうが稼いでいることもあるでしょう。もちろん資格の有無などスキル面でも給与に差がつくことがあります。
 

大学卒にはメリットもある

現在の収入が低い場合でも、大学卒にはメリットが多くあります。
 
例えば、転職する際には仕事の選択肢が広い傾向にあります。応募要件として「大学卒以上」を掲げている企業は多く、少なくとも「大学卒」という肩書が「高校卒」よりも不利になることは基本的にはないと考えてよいでしょう。
 
また、企業によっては、若いうちは給与を抑え、年齢を重ねて役職が付くと一気に上がる場合もあります。本人の努力次第の部分もありますが、キャリアアップのしやすさは一般的には大学卒のほうが高いと考えられています。
 

まとめ

一般的に大学卒のほうが高校卒よりも生涯賃金は高いですが、働いている企業規模や業種によっては、逆転する場合もあります。現時点の収入では及ばなくても、将来的な昇給幅が大きい、転職の際に応募できる企業数が多いなど、高校卒にはないメリットもあるでしょう。
 
しかし、他人の収入を気にしすぎてもあまりいいことはありません。誰かと比べて落ち込むよりも、昇給につながる資格取得や業績向上などに力を注ぐほうが建設的です。どうしても年収が友人よりも低いのが気になるなら、同じ会社の人に今後の年収上昇の見込みを相談したり、転職を検討したりするのもよいでしょう。
 

出典

国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計 労働統計加工指標集2023
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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