35歳で「年収700万円」を達成! これって十分「高年収」ですよね? 独身で毎月“10万円”は貯蓄できています
配信日: 2024.08.18 更新日: 2024.08.19
本記事では、統計上の平均値を基準として「平均よりも高ければ高年収」と単純に考えます。基準の例として、「35歳、独身」を含む平均年収、大都市に住む人の平均支出などについて最新統計から紹介します。
執筆者:福嶋淳裕(ふくしま あつひろ)
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
リタイアメントプランニング、老後資金形成を得意分野として活動中の独立系FPです。東証一部上場企業にて、企業年金基金、ライフプランセミナー、DC継続教育の実務経験もあります。
「35~39歳、男性」の平均年収は549万円
国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」によれば、給与所得者の「年齢階層別の平均給与」は「35~39歳」の男性で549万円、女性は333万円、男女合計で462万円です(2022年)。
これは、所得税を所管する国税庁が、従事員1人から5000人以上までの民間事業所における年間給与について幅広く調査したものです。この結果を上回っていれば、平均に比べて高年収といってよいでしょう。
男女差の原因としては、女性のほうが非正規雇用(相対的に低賃金)の比率が高い、女性のほうが管理的職業従事者(相対的に高賃金)の比率が低い、などが考えられます。一方で、男女差のない人事・給与制度の下で働いている正規雇用の女性であれば、女性平均よりも男性平均と比べるほうがよいかもしれません。
「大都市、単身・勤労者世帯」の平均年収は430万円
次に、「大都市」に住む人の平均年収を、総務省「家計調査(家計収支編)2023年」で見ていきます。大都市とは、政令指定都市および東京都区部(東京23区)を指します。
これによれば「大都市、単身・勤労者世帯の勤め先収入」は月35万8067円です。賞与を含んだ月平均額のため、年収は12を掛けた429万6804円です。この調査の留意点は、35~39歳以外の年齢階層を含む男女平均であることと、全国から選ばれた(限られた)世帯が回答していることです。
「大都市、単身・勤労者世帯」の平均支出は年306万円
平均支出も見ていきましょう。「大都市、単身・勤労者世帯の実支出」は月25万4640円(年305万5680円)です。「大都市、単身・勤労者世帯の勤め先収入」に対しては、年間124万円の黒字です。
実支出25万4640円は、消費支出18万8100円と非消費支出(直接税、社会保険料)6万6539円に区分され、消費支出には食料、住居、光熱・水道から使途不明金、交際費までさまざまな項目があります。このうち「住居」について少し考えてみます。
大都市、単身・勤労者世帯の住居費
「大都市、単身・勤労者世帯の住居費」は月3万3498円です(家賃地代3万2094円、設備材料208円、工事その他のサービス1195円)。これは、持ち家住まいの人を含んでおり、また、家賃が安く修繕費もかからない社員寮住まいの人や、家賃が突出して高い関東以外の地方に住む人を含めた平均です。
東京23区で「単身者向けのそこそこ広くて良い部屋」は3万円では借りられないでしょう。「家賃10万円、他の支出項目は平均並み」と仮定すると、実支出は平均よりも約7万円多い32~33万円になります(年間で約390万円)。このケースでは、年収が510万円以上なら毎月10万円・年間120万円貯蓄できそうです。
まとめ
今回は家計に関する最新統計から次を紹介しました。
●「35~39歳の平均給与」は男性549万円、女性333万円、男女合計462万円
●「大都市、単身・勤労者世帯の勤め先収入」は月35万8067円(年429万6804円)
●「大都市、単身・勤労者世帯の実支出」は月25万4640円(年305万5680円)
「35歳、年収700万円」なら「平均よりも高年収」といってよいでしょう。
出典
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 2023年
執筆者:福嶋淳裕
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)