更新日: 2024.08.31 年収
【年収の壁】パートで収入を「100万円」に抑えているのですが、手取りを「20万円」増やしたいです。120万円稼いでも“手取り”だと足りないでしょうか?
それでは年収100万円の人が年収120万円になった場合、手取りはいくら増えるのでしょうか? また、年収100万円の人が手取りを20万円増やすには、いくらの年収が必要なのでしょうか?
本記事で詳しく解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収からは税金や社会保険料が引かれる
年収からは税金や社会保険料が引かれて手取りの収入が減ってしまう可能性があります。
所得税や住民税は年収といった所得に応じて決定しますが、給与所得控除や基礎控除があるので控除内の収入であれば税金はかかりません。
給与所得控除は163万5000円までの所得であれば55万円、基礎控除は所得が2400万円以下であれば48万円です。そのため、給与所得のみだと給与所得控除55万円と基礎控除48万円の合計額103万円以下であれば税金は引かれないことになります(住民税は市区町村によって税金がかかる可能性があります)。
社会保険料については、配偶者の扶養に入っていると負担がなくて済みます。年収が130万円以上であること、もしくは一定の要件を満たした場合に社会保険に加入する義務が生じるので注意しましょう。
年収120万円になっても手取り額が変わらない可能性も
年収100万円の場合は控除内に収まっているので、手取り額は額面とほとんど変わりません(雇用保険料の負担があります)。しかし、年収120万円の場合は税金が引かれることになります。
まず、年収120万円の課税所得は120万円-103万円=17万円です。この場合の所得税率は5%なので、所得税は8500円となります。そして、住民税は10%の所得割と5000円の均等割(東京都在住の場合)の負担です。住民税の基礎控除は43万円なので、課税所得は22万円となり、住民税は2万7000円となります。
年収からは8500円と2万7000円の「合計額3万5500円」が引かれます。手取りは116万4500円です。これに加えて、一定の要件を満たすと社会保険料を支払わなければいけなくなります。この場合の社会保険料は16万6404円です。
社会保険料を支払う場合は社会保険料控除(社会保険料支払った金額を控除可能)が使えるため課税所得は抑えられますが、手取り額は年収100万円の場合とほとんど変わらなくなってしまうことが分かりました。
さまざまなことを考慮して働き方を選んでいきましょう
年収100万円の人が手取りを20万円増やそうとする場合は税金や社会保険料のことを考える必要があります。これらを考慮すると年収で約150万円が必要です。年収100万円の人は年間で50万円も収入を増やさないと手取りを20万円増やすことができません。
大きな負担となるのが社会保険料ですが、社会保険の加入要件は年々拡大しています。負担は大きいですが、将来の年金の金額が上がるなどのメリットもあるので、さまざまなことを考慮して働き方を選んでいきましょう。
出典
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.1199 基礎控除
東京都主税局 個人住民税
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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