夫は年収「850万円」私はパート月収が「8万円」です。世帯年収は高すぎないと思いますが、「高校無償化制度」の対象外なのでしょうか?
配信日: 2024.11.01
今回は、高校無償化制度の収入条件や、年収が高いときにチェックしておきたい項目などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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高校無償化の収入条件とは
高校無償化は国が行う「高等学校等就学支援金制度」と、自治体が行っている独自の支援制度があります。高等学校等就学支援金制度を利用できる所得条件は、「保護者等の課税標準額(課税所得額)×6%-市町村民税の調整控除額」が30万4200円未満であることです。
課税所得とは、所得税などの計算に使われる金額をいいます。その年の所得合計額から、基礎控除や配偶者控除など該当するすべての所得控除を引いた数値です。
調整控除は、所得税と住民税における基礎控除や配偶者控除といった、人的控除の差を調整するための控除です。課税所得が200万円を超えているか否かで計算方法が変わります。調整控除の計算式は以下の通りです。
●課税所得200万円以下:人的控除額の差の合計か住民税の課税所得のうち少ない方の5%
●課税所得200万円超え:(人的控除の差の合計-(住民税の課税所得-200万円))の5%、ただし計算結果が2500万円未満なら2500円
もし、条件に該当していれば、年に11万8800円、全日制の私立高校なら最大年39万6000円の支援金を受給できます。
上記の基準に相当する年収と、年間で受け取れる金額の目安は文部科学省で公表されています。共働きで高校生の子どもが一人の場合は、世帯年収約1030万円までが11万8800円の支給対象、世帯年収約660万円までが39万6000円の支給対象です。
パートで月に8万円収入があると年収96万円なので、夫の年収850万円と合計すると946万円になります。今回のケースだと、11万8800円までの受給対象です。
年収が高くても控除が多ければ対象になる可能性も
文部科学省が年収の目安を提示してはいますが、あくまでも参考値です。実際は課税所得の金額によるため、該当する控除の数が多ければ年収が高くても課税所得額が低くなり、高等学校修学支援金制度の対象になる可能性があります。
国税庁によると、所得控除は15種類です。なかには寄付金控除や地震保険料控除のように、確定申告で記載が必要な控除もあります。ふるさと納税も寄付金控除の対象なので、行っている方は書類を用意しておきましょう。
自治体の支援策もチェックしておく
所得控除を活用しても、国の制度の利用基準に届かないケースもあるでしょう。その場合、まず自治体独自の支援制度が利用できないか確認します。
例えば、大阪府教育庁 私学課が公表している「大阪府の高等学校等の授業料無償化制度について」によると、幅広い世帯を対象にした無償化制度が実施されているようです。
令和6年度時点だと、大阪府内の全日制高校に通う3年生の子どもがいる世帯なら、63万円までは世帯年収に関係なく授業料の無償化対象です。令和8年度には世帯年収に関係なく授業料がすべて無償化されます。
年間で最大11万8800円の支給金を受けられる可能性がある
高校無償化制度は、自治体が行っているものと国が行っているものがあります。国が行っている制度だと、所得が一定基準よりも少なければ利用可能です。年収目安で考えると、年収850万円の夫と月収8万円の妻なら年間最大11万8800円の支援金を受け取れる可能性があります。
年収が高いときは、適用できる所得控除がほかにないかチェックしてみることがおすすめです。また、自治体によっては国の制度の対象外でも高校無償化を受けられるところもあるため、確認しておきましょう。
出典
大阪府教育庁 私学課 大阪府の高等学校等の授業料無償化制度について(概要版)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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