同期「社会保険料が4万5000円に上がった! 高いよな…」→ 私の「3万6000円」より金額が多くてびっくり! どれだけ“給与の差”があるのでしょうか?

配信日: 2024.11.01

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同期「社会保険料が4万5000円に上がった! 高いよな…」→ 私の「3万6000円」より金額が多くてびっくり! どれだけ“給与の差”があるのでしょうか?
働いていると、毎月の給与明細の中で、社会保険料の金額に目がいくことも多いのではないでしょうか。
 
社会保険料は毎年7月に定時決定が行われ、一般的に10月支給(9月分の保険料)の給与明細に反映されるため、このタイミングで社会保険料の金額が変わる人が多くいます。「先月より手取りが減った。社会保険料が増えたからか……」と気づく人もいるかもしれません。
 
社会保険料の金額の決まり方を詳しく知らない人でも、給与が高い人の負担額が大きくなることは容易に想像できるのではないでしょうか。そのため、同期が自分より社会保険料を多く支払っていると聞いたら、「どれくらい給与に差があるのか」と考えてしまうかもしれません。
 
本記事では、給与と社会保険料の金額の関係性について解説します。
浜崎遥翔

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

社会保険料の金額が分かれば大体の給与が分かってしまう

社会保険料は給与の金額に基づいて計算されるため、社会保険料を聞けばその人のおおよその給与が推測できます。
 
例えば、東京都在住で協会けんぽに加入している場合、給与に対する自己負担割合は健康保険料(40歳未満の場合)4.99%、厚生年金保険料9.15%、雇用保険0.6%の合計14.74%です。なお、健康保険料の数字は加入している社会保険組合によって異なりますが、保険証の発行先に問い合わせれば確認できるでしょう。
 
社会保険料率14.74%の場合の給与を逆算してみます。同期の社会保険料はおよそ4万5000円ということなので、14.74%で割った30万5000円前後を給与として受け取っていることになります。一方、社会保険料が約3万6000円の場合、給与は24万4000円前後となるので、6万円以上の差があることが分かります。
 

社会保険料は4~6月の給与を基に計算(残業代や交通費も含む)

ただし、社会保険料から逆算した金額を、必ずしも毎月受け取っていることになるわけではありません。というのも、社会保険料の金額は4月から6月の支給額を基準に計算されるからです。
 
例えば、普段はほとんど残業していない人が、3月~5月(残業代は1ヶ月遅れで支給されることが多いため)のみたまたま多く残業した場合、社会保険料の金額が普段受け取っている給与に比べて高くなってしまいます。「3月~5月は残業しないほうがいい」と言われるのはこのためです。
 
また、社会保険料の計算には通勤手当など、各種手当も含んだ金額を使います。遠方から通っている人や運賃が高い公共交通機関を使っている人など、通勤手当を多く受け取っている場合は、社会保険料が高くなるのです。
 
したがって、社会保険料から逆算した数字が、必ずしもその人の基本給を正確に反映しているとは言い切れないことは知っておくと良いでしょう。もしかしたら社会保険料の差の一部は、3月~5月の残業や通勤手当の差額から生じるものかもしれません。
 

給与を知られたくなければ、社会保険料の金額はあまり口にしないこと

このように、社会保険料の金額は給与に直結しています。残業代などで毎月金額が変わる所得税の源泉徴収額やふるさと納税、iDeCo(イデコ)の金額により大きく変動する住民税と比較すると、社会保険料額からは給与の支給額が推測されやすいので特に注意が必要です。
 
他人に自分の社会保険料を教え、給与のおおよその金額が伝わることで、思わぬトラブルが生まれるかもしれません。給与や働き方にプライバシーを保ちたい場合は、社会保険料の金額についてあまり話さないほうが無難です。
 

出典

全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
厚生労働省 令和6年度の雇用保険料率について
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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